日清紡ホールディングスはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業」で、海中で無害な成分に早く変換される生分解性プラスチックを開発した。
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同素材は分子の骨格部分にイオン結合を持ち、海水中のナトリウムイオンとのイオン交換で低分子化される。その結果、「生分解する開始点が増えて、生分解が促進される」という。同素材はほかのプラスチックと高温で溶かし、混ぜ合わせやすい構造でプラスチックの物理的性質を大きく損なわない。このため、「生分解を促進する樹脂添加剤として有効」だ。
海域や海水温度などによらず、「セルロースを超える高い生分解度を示す」とし、土壌中でも生分解することが確認された。同社は今後、同素材を樹脂添加剤としてプラスチック素材など成形メーカーとの接点を探り、早期に製品化を目指す考え。