合同内見会「イトマルシェ」 天然・高機能糸を幅広く 業界交流の場に

2025/07/04 06:28 更新NEW!


初出展のニッケテキスタイル

 大阪で糸を軸とした素材の合同内見会「イトマルシェ」が開かれた。昨年初めて開催され、今年は2回目。新規顧客開拓や業界内の交流の場として位置付ける。主催は繊維専門商社のSTXで、8社が参加した。シキボウや新内外綿、ニッケテキスタイル、松村の4社が初出展した。綿関連に加え、ウールやシルクなども揃い幅が広がった。

(多田知史)

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4社増え多彩に

 シキボウは、定番商品の綿100%の精紡交撚糸「プレミアムデュアルアクション」や強撚糸の「エクセリトクール」、連続シルケット加工糸「フィスコ」などを紹介した。グループの新内外綿は、オーガニックコットンを使用した杢調の生地シリーズ「モクティ」で新たにヘンプや空紡のタイプを開発した。

 ニッケテキスタイルは、ウールの中でも肌触りの良い商品が高価ながら順調だ。特に防縮ウールの「クローチェNZ」を訴求する。ニュージーランドメリノを使用し、上質なぬめり感と光沢感で着心地の良さと高級感を両立させる。

 和装向けのシルクを扱う松村は、アパレル向けを強めようと初出展した。シルク100%のフリースや、はき心地が良く光沢感があるシルク・デニム、洗濯を繰り返しても風合いを保つウォッシャブルシルクなどを展示した。特にトレンドのシアー感を表現できるシルクはアパレル向けに推す。

需要掘り起こす

 近藤紡績所は横のつながりを増やし、需要を掘り起こす。糸だけでなく、テキスタイルでの提案に力を入れる。厳選した素材と特殊な仕上げによって光沢感を実現し、高級感を出す。日本のコレクションブランドや海外の高級ブランド向けを狙う。

 安城工場を閉鎖するクラボウは、クマテックスとタイ・クラボウの生地を展示した。「安城工場と変わらない品質を実現する」と安城工場からの生産移転を進める。

 STXは、多機能糸「タツロンα」と消臭タイプ「デオシル」を展示した。さらに、高伸縮糸の「テックスブリッド」とオーガニックコットン「コンフィル」の組み合わせを提案する。

 合繊関連では蝶理は、ピン仮撚り糸「SPX」やウール調のポリエステル、起毛タッチの「プライムスピン」など、多様な機能糸を紹介した。機能性ポリエステル短繊維の「スパンラボ」ではコットン調タイプをアウトドア向けに量産化を始めた。



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