エバーグリーンな出会い(宇佐美浩子)

2021/12/01 06:00 更新


アルバム「HoSoNoVa」リリース時に、雑誌の取材でお目にかかったことのある細野晴臣さん。深みのある声と会話のスタイルに、さらにファン度が高まった。あれから10年以上も経過していることを、今更ながら気づいた次第。

そんな細野イズムが詰まった作品は、前作の「NO SMOKING」(プチノスタルジーが心地良い(宇佐美浩子) | )を含め、音楽同様にDJの友人共々チェックをしているのだが、現在公開中の『SAYONARA AMERICA』もまた、イズム満載だ。

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細野さんの音楽のルーツともいうべきアメリカのポップスやロックをはじめ、影響を受けたというアメリカンカルチャー。

音楽活動50周年の記念すべき年、2019年に開催したアメリカで初のソロライブが収められている本作は、いわば氏の集大成的ライブ・ドキュメンタリーと言える。

ちなみにチケットは即完売だったとか。

そして劇中でも幅広い世代の観客が、口々に「細野音楽への愛」などをコメントしているが、昨今、若い世代を中心に高まるちょっとノスタルジック感漂う「エバーグリーンな文化」。彼はまさに、それを体現する人物の一人だと思っている。

In Memories of No-Masking World

その続きは劇場で!

SAYONARA AMERICA

全国順次公開中

ⓒ2021“HARUOMI HOSONO SAYONARA AMERICA”FILM PARTNERS 

配給:ギャガ

というわけで12月最初の「CINEMATIC JOURNEY」は、「エバーグリーンな出会い」をテーマに新作シネマ+αをご一緒したく。

そこで早速、立ち寄りたいイベントが!


1941年、ロサンゼルスにてデザイン事務所イームズオフィスを設立し、建築、家具、映像、テキスタイル、玩具、展示デザインなど、さまざまな分野で数多くの名作を生み出したチャールズ&レイ・イームズ。

20世紀プロダクトデザイン界の巨匠と呼ぶにふさわしい彼らの作品が今なお愛される、その秘密の扉の向こうを垣間見る「Eames Office: 80 Years of Design」が伊勢丹新宿店(本館2階「イセタン ザ・スペース」)にて、2022年1月5日まで開催している。

ちなみに、日本で最初に〈イームズオフィス〉の家具類の輸入をしたのは、当時の株式会社伊勢丹の子会社として設立した株式会社モダンファニチャーセールスとのこと。

数年前に公開になった映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』※を今一度、観賞したくなった。

それでは再び「エバーグリーンな出会い」がテーマの「CINEMATIC JOURNEY」。エンディングを飾る作品はこちら。『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』。


ドキュメンタリー映画監督かつジャーナリストのアントワーヌ・ヴィトキーヌが監督を務める本作は、「ミステリー・ノンフィクション」という表現通りのストーリー展開に、想像力という名のジェットコースターに乗った気分を味わうかも。

その主役は、500年前にレオナルド・ダ・ヴィンチの最後の絵画とされる「サルバトール・ムンディ」。「男性版モナ・リザ」と称され、市場最高額の510億円で落札されたいわくつきの名画⁉

ラテン語で「世界の救世主」を意味し、イエス・キリストを描いた肖像画とされるのだが…

さて、その行方は?


ダ・ヴィンチは誰に微笑む

全国順次公開中

©2021 Zadig Productions © Zadig Productions ‒ FTV 

配給:ギャガ

<p.s.>

ダ・ヴィンチといえば、尽きることのない創造性で、エバーグリーンな偉業を数多く成し遂げたイタリアを代表する多才なアーティスト。そしてイタリアの食の豊かさも、尽きることのない創造性でエバーグリーンな味覚の旅を楽しませてくれる。

そんな「世界イタリア料理週間」の日本編(「日本におけるイタリア料理週間」11月22日~28日)のキャラクターとして登場した「たべもん」(下記、イタリア人イラストレーター作)。

道中、しばしばプロセッコ(~12月末日まで「プロセッコDOCレストランキャンペーン」開催中)を味わいながら、日本を旅していることだろう…

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うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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