上記画像の男子の名はお解かりですか?
ヒントは昨年末に公開したマイベスト・シネマランキングに登場した『君の名前で僕を呼んで』の主人公。
と言えば…昨今注目を集める若手俳優ティモシー・シャラメ!
ルイ・ヴィトンのコレクションにも顔を出すなど、ファッションへの関心や感度も高いとか。
ここで、今更ながら懺悔をさせていただきます。
彼はイタリアを舞台にした作品でイタリア人青年を演じた俳優であり、イタリア系でもなく、父上は隣国のフランス人、そして生まれはニューヨーク、マンハッタンというプロファイル。
ですが出身校の著名な先輩に、ロバート・デニーロやアル・パチーノといったイタリア系の名が並ぶこともあり、またその高度な演技力から、資料を読破しつつも…ご容赦のほど!
さて、先日もちらりと告知した、ティーンエイジャーのティモシー最後の主演作『マイ・ビューティフル・デイズ』で幕を開ける今回の「CINEMATIC JOURNEY」。
テーマは、今という時代の気分にリンクする「プチノスタルジーが心地よい」。
南カリフォルニアの高校を舞台に、美しい金髪の英語教師に恋心を抱く男子生徒ビリー。
「社交性皆無、行動障害あり」そんな背景を持ちながら、真っすぐに思いをぶつける甘酸っぱいティーンエイジ・ラブストーリーをティモシーが好演。
一方、教師という立場を踏まえ、自身の心の奥底に宿る悲哀と闘いつつも、慎重に対応する心理描写を演じきったリリー・レーブ。その甲斐あって、サウス・バイ・サウスウエスト映画祭の最優秀女優賞を獲得した。
ちなみに本作が長編監督デビューとなるジュリア・ハート。
脚本家としての経験を重ねる以前は、なんと教師歴8年、その最後の5年間は高校の英語教師というキャリアの持ち主。よって、本作のプロデューサーでもある夫ジョーダン・ホロウィッツとの共同脚本の中には、監督の実体験も盛り込まれているのだとか。
「とはいえ、映画に描かれているようなことは、何ひとつ起こらなかった…」
とのこと。(本作資料より)
なお、ストーリーと絶妙なハーモニーを奏でる、アメリカの名曲『SISTER GOLDEN HAIR(金色の髪の少女)』は、観る者をプチノスタルジーな時間旅行へと誘ってくれるはず。
勝手ながら、私の胸キュンなフレーズを下記にシェアさせていただきたく!
♪ Just enough to show you care (気にかけてくれるだけでもいいんだ )♪
11/1(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開
©2016Young Dramatists, LLC.All Rights Reserved.
「プチノスタルジーが心地よい」をテーマに旅する今回の「CINEMATIC JOURNEY」。
続いて向かう先は、「その道半世紀!」という音楽界の巨匠主演のドキュメンタリー「NO(ノー) SMOKING(スモーキング)」。
さて、ハンチングをかぶった、どことなくゆるりと、そしてノスタルジックで、エアリーな香りのする後姿の主は誰でしょう?
思い返せば、昨今しばしば見かけるこのスタイリング…
答えは稀代の音楽家こと細野晴臣です!
氏のデビュー50周年記念ドキュメンタリーとして制作された本作は、登場人物も素晴らしい顔ぶればかり。それはまるで音声付きの、飛び出す古いアルバムを紐解くかのように、私を含め音楽ラバーにはたまらなく愛おしく、そしてまた同時に各時代のモードを目にするチャンスになるかとも。
はっぴいえんど、YMO(Yellow Magic Orchestra)をはじめとするバンドとして、またソロとしての活動、作曲、プロデュース、映画音楽のみならず出演(オダギリジョーの監督作『ある船頭の話』)もするなど、その才能の幅の広さは素晴らしく、そして自由な空気感が細野スタイルだと思っている。
かつてインタビューをさせていただいたこともあり、その際の印象や拝見したライブでのトークなど、総じて細野さんが発する声に、ユーモアやウィットが加味された深みを感じる。それはまた本作でナレーションを務める星野源にも相通じる何かがある。
2人には共通項的要素が多々ありそうな?!ちなみに「地平線の相談」という共著もあるとのことだ。
世代も国籍を超越し、紡がれるネットワーク。それはきっと永遠に終わりのない「はっぴいえんど」かも?!。
「NO(ノー) SMOKING(スモーキング)」 細野晴臣 デビュー50周年記念ドキュメンタリー
11月1日(金)よりシネスイッチ銀座、ユーロスペースほかにて全国順次公開
Ⓒ2019「NO SMOKING」FILM PARTNERS
うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中