注目!美しき髪の乙女(宇佐美浩子)

2019/08/30 06:00 更新


音楽とファッションと映画。

このトランアングルが奏でるメロディーに、たまらなく感動した経験は?

いずれも時代と呼応した独特の香りが、「CINEMATIC JOURNEY」へと誘ってくれるような…

宇佐美浩子の過去のレポートはこちらから

たとえば先日、早々と内覧試写の機会をいただいたシネマ『マイ・ビューティフル・デイズ』(11月1日公開予定)。

昨年、当コラムでも紹介したヒット作『君の名前で僕を呼んで』で魅せられた方も多いと思う、注目の若手俳優、ティモシー・シャラメの2016年の主演作だ。

実はそのキーノートとなっているのが、一昔前、在英アメリカンスクールで出会った男子3人組が「アメリカ」という名のバンドを結成し、1975年にヒットを放った曲「金色の髪の少女(Sister Golden Hair)」だ♪

なお本作については、後日改めて…


というわけで、今回の「CINEMATIC JOURNEY」のテーマは「注目!美しき髪の乙女」。

それでは早速、前述のシネマ同様、金色の髪が美しいヒロイン、シャロン・テート役のマーゴット・ロビー(下記)が登場する、クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』から!


映画マニアの母親と共に、筋金入りの「映画愛好家」として1960年代の幼少期をハリウッドで過ごし、今日の輝かしいキャリアへと到達したタランティーノ。

だが、それに加えてレコード・コレクターでもあるほどの「音楽好き」♪というよりはむしろ「音楽通」という表現が似つかわしい。


そんな彼が「人生をかけてリサーチし」、約5年の歳月をかけて完成した脚本が「1960年代ハリウッドへのラブレター」として本作になったという。


そうした当時の空気感がファッションや音楽と共にスクリーンいっぱいに広がる映像に、極上の華を添えるのが彼ら二人の初共演。

レオナルド・ディカプリオ×ブラッド・ピット!!

かつてTVの西部劇で一世を風靡し、現在は映画スターへの転身に悪戦苦闘中のリック・ダルトン役をオモシロおかしく演じるレオ様。

一方、彼の付き人兼スタントマン、そして心許せる友クリフ・ブース役を痛快に演じるブラピ。

この最高のコンビを軸に、リック邸の隣に引っ越してくるロマン・ポランスキー監督夫妻の妻にあたる新進女優のシャロンを軸に展開する本作。

1969年8月9日、映画史を塗り替える事件となって!?


本作の監督・脚本・製作を兼務するタランティーノが、今年のカンヌ国際映画祭に記したレターの一部が全貌を物語っているように思う。(本作資料より)

‟キャストやスタッフと共に一丸となって、全く独自の新しいものを創り上げるために大変苦労したものです”

そして彼の映画への愛をスクリーンの前で2時間41分、共に分かち合いたく!


『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

8月30日(金)より全国ロードショー



「注目!美しき髪の乙女」をテーマに巡る「CINEMATIC JOURNEY」。

ハリウッドの名監督による金色の髪のヒロインとスタントマンが登場する作品の次は、アジアを代表するチャン・イーモウ監督の艶やかな黒髪のヒロインと水墨画のような映像が美しい新作『SHADOW/影武者』


映画監督としてのチャン・イーモウという名を知らない人でも、08年の北京オリンピック開会式を指揮した人物と聞けば、その視覚的美しさのクリエーターとして、記憶に残っているかと思う。

そして本作は、カメラマンとしてのルーツに立ち返り、とてもチャレンジングな作品となっているという。

よくよく本作資料をチェックすると、そのこだわり度の高さに感動する。

‟新しい美学を生み出し、体現しようと挑戦した”

この言葉の通り、視覚効果とCGをほとんど使用しない、「失われつつある職人技への回帰」を決意。

その結果、実現したのが前述の中国の水墨画に通じる、光と影のグラデーションが織りなす映像なのだそう。


さて、物語は戦国時代の中国を舞台に、監督が兼ねてより熱望していたテーマ「影武者」の光と闇を描いている。また主人公役も一人二役で、ダン・チャオが一気に体重を20㎏減量するという肉体改造に挑み、同一人物とは思えぬ風貌での熱演。

そして注目の美しい黒髪のヒロイン、スン・リーも、「リアリティ」を追求する監督の方針に従い、古楽器である琴の練習を重ね、全て自身で演奏したとのことだ。

ちなみに主演の2人は実生活でも夫婦というだけあり、琴の合奏をはじめ、さまざまなシーンで息のあった共演を披露している。


『SHADOW/影武者』

9月6日(金)より TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

配給:ショウゲート

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「注目!美しき髪の乙女」をテーマに巡る「CINEMATIC JOURNEY」。

さて、上の場面写真からも連想されるように、中国では古来より伝わる生薬を用いた「生薬方」と、物理療法の「鍼灸」が治療技法の2本柱として発展を遂げ、また一方では健康増進や美容の分野での民間療法としての「鍼」治療は近年ここ日本でも広く知られている。

とりわけ昨今、各自の髪の状態や好み応じてオリジナルのシャンプーやトリートメントをオーダーメードできる、画期的パーソナライズシャンプー「Laborica(ラボリカ)」が誕生するなど、美髪への様々なアプローチが研究されている。 

そうした中、偶然にも「美容鍼×頭皮活性」という興味深い文字が記された資料を目にした。

そこで早速、その発信元である東京・恵比寿の「シーズ・ラボ鍼灸院」の鍼灸師、大河戸達也先生に、取材を申し込んだ。


「毛髪に必要な栄養は毛細血管から得られるため、血行不良の改善は美髪の一歩と言えます。よって鍼治療を行うことにより、頭皮の筋肉をほぐして凝りをとり、血液循環を良好に導き、さらに自律神経を整え、内面から自然で健康的な美しい髪作りに効果を発揮してくれるのです。またスイスでは医療機器として認可されている細胞レベルでダメージを修復する『バイオプトロン』との併用により、さらなる美髪へと目指します」と語る大河戸先生。


ちなみに、鍼治療の起源はヨーロッパという説もあると先生は言う。

「意外に知られていないと思うのですが、鍼灸の講義の中で耳にした話題の一つに、91年にアルプスにあるイタリアとオーストリア国境のエッツ渓谷の氷河で見つかった、約5300年前の男性のミイラ、通称『アイスマン』の腰の状態から、鍼治療がなされていたのではないかと推測されているのです」

そこで早速「その後の研究結果はいかに?」と思い、ネットサーフィンしてみたのですが、目下未確定の様子。

最後にプロの視点から「日本の女優さんで美髪だと思われる方は?」という問いについては「仲間由紀恵さん、綾瀬はるかさん」という納得の回答を頂いた。

宇佐美浩子の過去のレポートはこちらから

うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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