さまざまな感動を多くの皆さんとシェアしたく、アレコレ寄り道をしながら巡った2019年の「CINEMATIC JOURNEY」。
ファッション、アート、そして「いま」を感じるライフスタイル全般を盛り込みつつ、新作シネマと美味なマリアージュを重ねる機会を得た。
そうした中、最も思い出深く残っているのが「タランティーノ監督×ブラピ×レオ様」の3大スターが集結した話題作と共に、ライフスタイル系をフィーチャーし、多くの読者の皆様に共鳴頂いた「注目!美しき髪の乙女」。
筆者にとってはまさに、サプライズギフトを頂いたような気分だった。
そして間もなく迎える2020、ネズミ年。果たして世界は今、何を求めているのだろう?
そんな疑問符を抱きつつ、街で出会ったのがユニークなデザインのバッグ。(上記画像)
1948年、同じくネズミ年にフランス・パリで創業したブランド「ロンシャン」が折り紙から着想を得、93年の発表以来変わらぬ人気を誇る定番「Le Pliage®(ルプリアージュ®)」。
その限定デザインだそうで、中国で最も影響力のあるファッションブロガーの一人という「Mr. Bags」とのコラボによる、第3弾コレクションだとか。
聞くところによれば、何やらネズミが一枚噛んで(笑)いるらしい。
というわけで「CINEMATIC JOURNEY」2019~2020は、「『愛+優しさ』2020に夢を託す」をテーマに、どこかに謎解きとも言える何かが潜むシネマをセレクトしてみた。
まずは『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』でTake off!
「この見覚えのある二人はもしかして以前、主人公夫妻を演じた…」と思われた方?
正解です!
15年春、当コラムでも紹介した「博士と彼女のセオリー」では宇宙への夢をシェアする天才物理学者ホーキング博士と、献身的妻を熱演。そして本作では気象学者の研究熱心さ故にパートナーシップを申し出た、我が道まっしぐらの女性気球操縦士、二人による奇跡的実話を好演したエディ・レッドメインとフェリシティ・ジョーンズ。
ちなみに本作にも描かれている記録(酸素ボンベ無しで気球に乗り、高度11277mまで上昇)は未だ破られていないとか。
さて、エレガンスと心身のタフさを兼ね備えたヒロインを演じるフェリシティ。その背景には、数々の努力があったと知る。
事の始まりはやはり、壮大な空での撮影に対するこだわりから建造された1800年のガス気球のレプリカに…
☑空での演技に備え、数週間に及ぶスタントのリハーサルをしてプロの空中曲芸師による訓練に挑む。
☑高度600メートルの気球で、バスケットから出て気球によじ登る。
…などなど、本作資料の文字を追うごとにハラハラドキドキ感が増す。
と同時に同性ならきっと、勇敢なフェリシティに心からの拍手を送りたくなるだろう。そんな彼女のコメントは、さらにまた拍手喝采ものだ。
❝人間は必死でやればすごいことが出来る❞
つまり本作は、そうしたことを人々に思い出させる映画であると彼女は語っている。
筆者も含め、観る者たちの希望や、夢の実現に一役買うことを彼女は願っているに違いない!
2020年1月17日より全国ロードショー
©2019 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.
「『愛+優しさ』2020に夢を託す」をテーマに巡る「CINEMATIC JOURNEY」2019~202。続いての作品も、どこかで見覚えのある顔ぶれが…
お気づきの通り、世界的大ヒットTVドラマ・シリーズでおなじみの『ダウントン・アビー』だ。その映画化となれば、ドラマの視聴者であろうとなかろう(=筆者)と、気になるはず。
早速簡単に本作に関する基本データをいくつか列挙すると;
☑脚本家ジュリアン・フェローズ、主要スタッフ、キャストもドラマと同じ。
☑1925年で幕を閉じたという「シーズン6」の数年後が本作舞台。
☑当伯爵家の大邸宅に国王夫妻が訪問するという一大イベントと同時に数々のハプニングが…
一方、スクリーンを彩る美しい衣装の数々。その一つ一つに、目を奪われる方も少なくないはず。
それら衣装を手掛けたのは、ドラマの第5シーズンから参加したアンナ・メアリー・スコット・ロビンス。
本作の貴重な資料に記された、衣装にまつわる彼女の興味深いコメントの数々。その中でもマーカーを引きたくなってしまうほど、心に響いたいくつかを下記に;
☑映画の衣装は明確にストーリーを語らねばならない。
☑スクリーンで大きく見えるようになるため、細部に一層配慮してこだわる必要がある。
☑ヴィンテージ物や本物を用いて、デザインを加え、服を復元したり、カスタマイズする。
☑デザインを1から考え、ヴィンテージ生地の染色も自身で行う。
なんとも高度なテクニックと情熱が込められていると判明。
そして下記のドレスは、「100年前の衣装が蘇ったよう」と絶賛するほど、アンナの愛がたっぷりつまった、お気に入りの一着だそう。お見逃しなく!
2020年1月10日(金)、TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
配給:東宝東和
©2019 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
ここで少し、この1年の記憶をたどってみたく。さまざまな分野で偉業を成された方々が旅立たれた2019年。
ファッション業界では、カール・ラガーフェルドに始まり、11月には創業者ルイ・ヴィトンの直系5代目にあたるパトリック-ルイ・ヴィトン氏逝去のニュースが。
また映画界では3月29日、生涯現役を貫いた女性監督アニエス・ヴァルダが90歳と10カ月の人生の幕を閉じた。そんな女史の映画愛を感じる『アニエス・ヴァルダをもっと知るための3本の映画』が、今月21日よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開中だ。
3本の内の1本は、未来へのメッセージと称される今年の新作『アニエスによるヴァルダ』がラインアップされている。
というわけで、「『愛+優しさ』2020に夢を託す」をテーマに巡る「CINEMATIC JOURNEY」2019~202。締めくくりは今回のテーマに直結する、まさに謎解きシネマ『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』で。
『ダ・ヴィンチ・コード』というタイトルを耳にしたこのある人は多いと思う。
全世界的話題のミステリー小説シリーズということもあり、実は驚くべきミッションが遂行されていたことをご存じだった方は、どれほどいるだろうか?
つまり実話に基づくストーリーが、本作の魅力とも言えるわけだ。機密情報保持のための作戦というべきか…
そして今回のテーマは、まさに本作の劇中歌であり、かつまた心に響くフレーズに再会したかのような、そんな気分を味わうのでは?
❝いま世界は愛と優しさを求めている。 ひと握りの人のためではなく、みんなのため…❞
2020年1月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイント、新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
配給:ギャガ
© (2019) TRÉSOR FILMS – FRANCE 2 CINÉMA - MARS FILMS- WILD BUNCH – LES PRODUCTIONS DU TRÉSOR - ARTÉMIS PRODUCTIONS
それでは2020へ向け、クリスマス(12月25日)まで期間限定で開催されていたエルメスのイベント「夢見る花火」。
その思い出のフィナーレに「夢」を託し、2020年もひきつづき「CINEMATIC JOURNEY」にお付き合いのほど!HIRO
うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中