アサヒシューズ 14期ぶり増収へ、直販や海外事業強化

2019/05/08 06:26 更新


 靴メーカーのアサヒシューズは19年12月期、14期ぶりの増収を目指す。柱は、近年急伸するECやテレビ通販、DMなどの「直販事業」と、中国での子供靴販売を中心とする「海外事業」。両事業の強化で主力の卸売り事業への波及効果も期待する。今期は売上高90億円(前期比11%増)、営業利益3100万円(前期は7億1000万円の赤字)を見込む。

 直販事業は前期、約2億5000万円を売り上げたが、早期に10億円に引き上げる。核となるのは、3月に銀座と大阪市のあべちかなどに出店した直営店「アサヒシューズ」。それぞれ初年度の売り上げ目標は3000万円だが、早期に損益分岐となる5000万円を目指す。

 年4回・毎号13万部発行する通販冊子「アサヒスタイル」は配布先を増やし、発行部数を早期に20万~30万部に増やす。17年から始め、BSや地方局の30分枠を買い取り放映するテレビ通販は宣伝効果も見込む。

 中国や韓国、タイなどの海外事業は前期、約2億5000万円を売り上げたが、これも早期に10億円を目指す。特に期待するのは昨年、上海に合弁会社を立ち上げた中国。出生数が日本よりはるかに多く、日本製への信頼が高い子供靴で拡販を急ぐ。

 合弁相手の企業とは今春、共同でオリジナル商品も開発。「くまモン」や久留米市のゆるキャラ「くるっぱ」など、地元九州のキャラクターをモチーフにした可愛らしい靴を発売した。今後も、第2、第3のキャラクター商品の投入を計画する。

 こうした施策は相互に良い効果をもたらしていると見る。例えば、既に10億円を超える規模に育ったアマゾンやジュピターショップチャンネルなどの卸型通販事業は宣伝効果が高く、既存の卸売りビジネスにも良い影響を生んでいる。一方で、靴専門店や百貨店の靴平場が想定より早く閉店・閉鎖される中、取扱店舗の問い合わせも多い。そのため、直営店やアサヒスタイルで補完できるようにする。

 これらによりオリジナルブランドの年間販売足数を増やす。シニア向け「快歩主義」は前期の55万6000足から60万足へ、膝のトラブル予防の「アサヒメディカルウォーク」は12万4000足から14万足へ、雨の日に適した「トップドライ」は13万9000足から15万足へ引き上げる。

中国で好評を博している子供靴


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