東レは、独自技術により廃棄漁網を原料とするナイロン樹脂を一部に使用し、バージン材料100%と遜色ない物性を持つ漁網用再生ナイロン原糸の開発に成功した。
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使用済みの廃棄漁網は、材質ごとの分別や回収に藻屑(もくず)が付着しており、紡糸時に強度や耐久度が低下するため、漁網への再利用が困難だった。昨年11月に発表した漁網to漁網リサイクルでは、漁網製造時に発生する端材や工程くずなど、未使用の漁網をナイロン原糸の原料の一部するだけにとどまっていた。
12月からの社会実装化を目指し、試験操業を実施し、結果を踏まえて使用拡大に向け検証する。同社が日東製網、マルハニチロと3社で取り組んでいる循環型社会の実現と海洋プラスチック問題の解決を目指す〝漁網to漁網リサイクル〟の取り組みを新たに拡大する。
東レが新たに開発したナイロン原糸を用いて、日東製網が漁網を製造し、マルハニチロ子会社の大洋エーアンドエフの漁船に試験導入する。11月に沖合網漁業での試験操業・実証を予定。一度操業で使用された廃棄漁網をリサイクルした漁網が実際の漁業で使用されるのは「業界で初」としている。