新型コロナウイルス感染症の影響によりアラウンド20の就職活動は大きく変化をしています。自分の将来について不安を抱えながら、新しい就活の戦闘スタイルに頭を悩ませている人も多くみられています。先月シブヤ109ラボでは、「就活中の学生(男女)」を対象にグループインタビューを行い、その実態について調査しました。
【関連記事】「シブヤ109ラボ所長の#ウィズ・コロナのファッション観」
○ライトやマイク購入
近年の一般的な就職活動では、大学3年生の夏ごろから企業の開催するインターンシップに参加したり、就活生と社会人をマッチングする「Macher」などのアプリを活用しOB・OG訪問をすることで、自分の志望業界や企業の情報収集と選考に向けた準備を進めます。
そして並行してこれまでの自身の経験を振り返り、働く上で重視する軸を見つけるための自己分析を重ね、エントリーシートを作成・提出し、グループディスカッションや面接を経て内定を獲得していく…。このような一連の就職活動の流れはアフターコロナでもあまり変化はみられていません。
コロナ前の就活との大きな違いは、やはり「オンライン就活」です。通常であれば面接などが多く行われる期間が外出自粛期間と重なったことで、急きょオンライン選考に切り替えた企業が多数ありました。
オンラインでの選考を経験した学生にその実態を聞いてみたところ、対面選考にはない、様々な工夫が見られました。例えば、ビデオ通話を使った面接に備え、顔色を良く見せるためのリングライトや自分の声が面接官によく聞こえるよう約1万円かけて性能の高いマイクを購入するなど、オンライン就活ならではの備品を購入しているようです。
○自宅のメリットも
また、「オンライン面接だと相手に自分のリアクションが伝わりにくい」と感じている学生も多く、カメラに収まる高い位置でのオーバーリアクションを意識したり、面接官と目線が合うように、パソコンのカメラを見ながら話すことを意識するという声も多くありました。
画面越しの選考では、「自分の熱意や人柄が相手に伝わりにくいこと」に苦戦している学生も多い反面、オンライン化により「面接時に志望動機や自己PRのカンペを置いておける」「直前まで面接の練習ができる」「自宅でリラックスした状態で面接を受けられる」といったのメリットも生まれているようです。
一方で、学生が企業の社員やオフィスなどの雰囲気を直接体感できる機会が減少したこともあり、企業を知ってもらうという面では、各社のコロナ禍での対応も非常に注目されています。
たとえば在宅勤務への移行やオンライン面接への切り替えなど、働き方や選考においてスピーディーかつ柔軟な対応ができている企業や、選考に関する連絡や報告をこまめにくれる企業に対しては信頼感が増し、好感が持てるといった声も多く、この未曽有の事態によって、企業の「柔軟性」も学生にとっての重要な判断軸となっているようです。
(繊研新聞本紙20年7月15日付)