大阪で沖縄ブランドの期間限定店「1090」 アパレル資材卸が取引先と組み開催

2025/07/11 10:59 更新NEW!


限定商品を目当てに行列ができた「リリーズアイスクリーム」

 大阪・南堀江のオレンジストリートでこのほど、複数の沖縄ブランドを集めた期間限定店「1090」が開かれた。仕掛け人はアパレル資材卸の1090(大阪市、徳丸拓也代表)で、取引先のブランドの魅力を広げる機会として毎年企画し、今回が3回目。参加ブランドがイベント用に限定商品を用意するなど、新たな工夫を盛り込み、これまで以上の盛り上がりを見せた。

 前回に続いて参加した那覇市のセレクトショップ「イロカライフ」は、高橋雄一郎オーナーによるオリジナルイラストをのせた限定のアロハシャツやTシャツを打ち出した。大阪と沖縄を題材にしたユニークなイラストを描き起こしてプリントした。

「イロカライフ」の限定アロハシャツ

 アロハシャツは速乾性のあるポリエステル100%で、税込み9800円。Tシャツは今回のイベントのためだけに用意したもので4400円。同店では、オリジナルアイテムの卸も徐々に進めており、「これからさらに増やしたい」考えだ。「ニーズに基づいてイラストを作れるので、例えば飲食店のユニフォームなどBtoB(企業間取引)についても最小ロット100枚ぐらいから提案していきたい」と話す。

 「リリーズアイスクリーム」(運営はティダノワ、沖縄県読谷村)も継続参加。「アイスは着るモノ」をキーワードに、鮮やかなタイダイでアイスクリームを連想させるようなTシャツを主力にしている。

「リリーズアイスクリーム」の主力商品。アイスを連想させるようなタイダイが特徴

 今回はアーティストがプロデュースする「icontact」と協業のTシャツを用意したところ、初日からそれを目がけて来た人が多数いた。音楽好きな人が新たに今回のイベントを訪れるきっかけになった。

アーティストとの協業商品などの効果もあり前回以上に来場者が集まった

 初参加となった「Taira」(タイラ)は、沖縄出身の平良昇三さんが、22年に大阪で立ち上げた革小物ブランド。観音開きする口金を使った財布が代表アイテムだ。口金は工場に直接かけあい、生産停止していたものを再開し実現したものだ。コイン入れが1万1500円で、これと三つ折り財布を組み合わせたもの(2万4200円)もある。卸はしておらず、大阪の工房兼店舗とECで受注生産を基本に販売している。

「タイラ」が打ち出した観音開きの口金を使った限定のコイン入れ

 今回は、この口金を使ったコイン入れで限定商品も販売。参加ブランドのイロカライフが描いたイラストを、主催者の1090がキャンバスにプリントし実現した。8800円。タイラとしてはこれからもっとブランド認知を広げたい考え。インスタグラムで物作りする人に向けた動画を発信し、手応えを得ている。

 このほか「スッパイマン」「ウミイキタイ」などがイベントに参加した。イベント全体では、限定商品の仕掛けを繰り出した効果もあって、前年比60%増収となった。24年の開催では23年に比べて倍近い売り上げを得ており、毎回伸ばしている。

 1090はユーチューブやインスタグラムでも「アパレル業界を盛り上げるきっかけになれば」と独自の発信に取り組んでいる。イベントについても今後さらに発展させていきたい考えだ。



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