《ちょうどいいといいな ファッションビジネスの新たな芽》「MOUN TEN.」 子供の成長をおおらかに見守る服

2026/02/27 10:59 更新NEW!


ブランドの発信にもぶれない一貫性があります

 17年にスタートした「MOUN TEN.」(マウンテン)は、スポーツ、ワーク、ミリタリーを軸に、機能的で洗練されたユニセックスの子供服です。アパレル企業で経験を積んだご夫妻が「娘に着せたい服があまりなかった」ことから立ち上げました。

【関連記事】《ちょうどいいといいな ファッションビジネスの新たな芽》「YEAH RIGHT!!」 過去と現在をつなげるリメイクという視点

力が抜けた感じに

 娘さんはサッカーをする活発な女の子。スカートははかず、動きにくい服は苦手でした。そうした経験に加え、子供服売り場で当たり前のように「女の子はピンクやフリル」「男の子は青や車、怪獣」と分けられていることにも違和感を覚えたといいます。性別による固定観念に縛られず、どちらの子供にも開かれた、フラットなユニセックスの服を作りたい。ブランドの原点には、その思いがありました。

 「他にないものを作りたい」と語ります。代表的なアイテムの一つは、オケージョンにも対応するスーツ。従来の子供服のスーツは大人の縮小版のような、カチッとしたジャケットと細身のパンツが主流でした。それでは着用シーンが限られるため、ノーカラーでゆったりめのボックスシルエットに。ケアがしやすいポリエステルで、ストレッチ性のあるスポーティーな素材を採用し、日常でも着用しやすくしました。「力が抜けた感じに作っています」と言いますが、緻密(ちみつ)なパターンを理解しているからこそ、成長の過程にある子どもに、合わせ過ぎず、作り込み過ぎない選択ができます。価格のバランスも見据えながら、どこまでこだわり、手を入れるかを見極める。「やりすぎない」さじ加減に、このブランドの美学があります。

MOUN TEN.定番のダブルノーカラージャケットとハーフパンツのスーツ

 サイズ展開も特徴的です。一般的な10センチ刻みではなく15センチ刻みで、95、110、125、140センチがあり、さらに大人用の0と1があり、6サイズが基本です。子供服はすぐにサイズアウトするからと、大きめのサイズを買われることが多いことを考慮しています。成長していく中で、オーバーサイズでもジャストでも、少し小さくなっても着用できるバランスです。当初はキッズサイズだけでしたが、お客様やバイヤーからのリクエストに応えながらジュニア、大人へと広がり、家族で楽しめるラインナップになりました。

価値観の共有

 子供服の合同展示会「ワンオブテイルズ」に初回から毎シーズン参加して新作を発表します。価値観を共有する出展者で協力し合い、一緒に成長してきました。国内約50店に卸売りしています。10年続けられた要因は「発信が少ない私たちに代わって、お取引先様がブランドの魅力をお客様に伝えてくださったから」。信頼関係の積み重ねが継続を支えてきたと感じます。

2月に出展した合同展示会「One of Tales」会場の様子

 3シーズン目のベビーラインでは新たな顧客層の取り込みに力を入れています。また、スポーツに特化した服作りや自社企画のイベント、輸出にも改めて取り組みたいなど、前向きな目標を持っています。

■ベイビーアイラブユー代表取締役・小澤恵(おざわ・めぐみ)

 デザイナーブランドを国内外で展開するアパレル企業に入社、主に新規事業開発の現場と経営で経験を積み、14年に独立、ベイビーアイラブユーを設立。アパレルブランドのウェブサイトやEC、SNSのコンサルティング、新規事業やイベントの企画立案を行っている。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事