元臨床工学技士という異色の経歴の石川恭寛さんが手掛けるメンズ主力のブランド「タカヒロイシカワ」。解剖学の立場から研究した人間の骨格などを着やすい服作りのパターンに生かす。
石川さんは医療系大学を卒業し病院で数年働いた後、文化服装学院で学び直し、デザイナーブランドでパタンナーとして経験を積んだ。23年に独立して自身のブランドを立ち上げた。自らパターン設計から縫製作業まで担う。
同ブランドは石川さんの好きなアートや音楽をはじめ、人の感情や記憶、日本人の美しい感性など、目には見えないものを服として表現。パターンへのこだわりが強く、ジャケットの襟の立体的な返りを実現するため、何度も修正を重ねる。商品はシンプルなシャツやジャケット、Tシャツなどがある。
代表的なアイテムは、ウールを使ったトグル付きのジャケット。スタイリスト経由で有名タレントが着用してくれたこともある。また、ブランドのアクセントになるアイテムとして手編みの花柄のバッグや小物も販売している。

販売は現状はオンラインが中心だが、25年にインスタグラムを通じて、長崎県のセレクトショップと取引が始まった。今年はこれまで実施してなかった展示会を開いたり、店舗に直接、営業をかけたりするなど、東京のセレクトショップへの卸と認知度向上を目指す。
今後は「オリジナル生地の開発やデニムパンツの商品化にも挑戦したい」と意欲的だ。
