ハンドメイドやキャンプなどで広まっているパラコード。元はパラシュートの傘体と人をつなぐつりひもとして開発されたロープだが、豊富な色と実用性の高さから注目が集まる。一般社団法人日本パラコード協会代表理事の濱田紀子さんも、その魅力に引かれた一人だ。
(榎田果歩)
きっかけは大型犬
きっかけは、大型犬を家族として迎え入れたこと。小型犬は首輪やリードの選択肢が豊富な一方、強度が求められる大型犬向けは種類が少なかった。動物病院で見かけた犬の首輪に目が留まり、飼い主に尋ねると、パラコードを使っていた。
当時、関西ではまだ普及しておらず、ネットショップで材料を購入し、動画サイトを見ながら作り始めた。完成品は好評で「作ってほしい」と声がかかったが、安全性に不安を感じ、本格的に学ぶため東京へ赴いた。
「独学で学んだことを確認するつもりで行ったのですが、衝撃でしたね」と振り返る。ネットで購入したものはポリエステル混だったが、本来の仕様はナイロン製と知った。首輪のバックルにも犬専用のものがあり、そうでないものは破損や外れにつながる恐れがある。「ちゃんとした知識を身に付けることの重要性に気付かされた」と話す。
その思いが協会設立につながった。22年に立ち上げ、現在は全国に約120人の会員がいる。単に編み方を学ぶ場ではなく、素材や金具、安全性について正しい知識を共有することを重視する。「用途に合わせて取捨選択し、正しい知識を持って楽しんでほしい」と語る。
防災や推し活にも
魅力は色の豊富さと実用性だ。犬具から活動が始まった協会だが、用途は幅広い。企業のワークショップでは、アウトドア向けに、虫除け効果があるとされるオニヤンマの模型を作ったこともある。丈夫で水にぬれても扱いやすく、屋外で使うアイテムにも向く。自衛隊やボーイスカウトでも使われており、ほどけば命を守るためのロープにもなる。
犬具でも非常時に役立つ。避難時にリードがない場合でも、パラコードの首輪をほどけば簡易的なリードになり、他の犬に分けることもできる。普段は身近なものとして使いながら、非常時にも活用できる。
オリジナル性のあるものを作れることも魅力の一つだ。最近では豊富な色を生かし推し活として楽しむ人もいる。濱田さんは47都道府県に会員を広げ、色で遊ぶ楽しさと正しい知識を発信したい考えだ。「パラコードにできることはもっとあるはず。生活の一部として身近に感じてもらいたい」と話している。
