エミネントと大河内メリヤス、合同展で相乗効果 卸先開拓で協力

2025/07/11 06:26 更新


大河内メリヤスの「ゼン」26年春夏向けニットアイテム

 メンズスラックス専業のエミネント(東京)とニッターの大河内メリヤス(福島県伊達市)は、自社ブランドの展示会を合同で開き、新規卸先の開拓で成果を上げている。

(大竹清臣)

 エミネントはサステイナブル素材のカジュアルパンツ「ループ」、大河内メリヤスは立体的な編み地・パターンのニットウェア「ゼン」を手掛ける。両ブランドとも、イタリア・フィレンツェのメンズ総合展示会ピッティ・イマージネ・ウオモに継続出展していることをきっかけに意気投合し、海外市場の開拓を進めるとともに、協力し合ってセレクトショップなど国内での新規卸先の獲得を目指している。2社合同の展示会は2月中旬に25年秋冬物で初開催し、2回目を7月15~17日に東京・恵比寿で開く。

 互いの取引先が来場し、新規卸先が増えるなど相乗効果を発揮している。日本のファクトリーブランドという共通点がありながら、セーターやカーディガンの大河内メリヤスとパンツのエミネントと、それぞれが強みとするアイテムを訴求するため、来場するバイヤーにとってもメリットは大きい。

 エミネントは14年6月展からピッティ・ウオモに出展し、5年でアジアや北米を中心に12カ国約40店に輸出した実績がある。出展を再開後、輸出先は17カ国約50社まで広がった。長崎の自社工場で生産する自社ブランド「越前屋」のクラシックなドレススタイルのほか、コロナ後にはカジュアルテイストのループを打ち出してきた。

 ループは、26年春夏物からユニセックスブランドに進化させる。前回までのピッティ・ウオモで欧米の百貨店や有力セレクトショップから「女性向けが欲しい」との要望が多かったことが背景にある。ユニセックス企画にシフトすることで、これまでアプローチできていなかった卸先の開拓を狙う。

エミネントの「ループ」26年春夏物(ピッティ・ウオモの出展ブース)


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