染色・加工の福井プレス 人形劇で資源循環を表現 

2025/07/04 11:00 更新NEW!


デザイナーが創作したアート作品

 染色・加工・クリーニングの福井プレス(大阪府東大阪市、福井伸社長)はこのほど、自社の資源循環型ビジネスを人形劇で表現するイベントを開催した。コーヒーの染めかすをキノコの培地などに使う「キノコラボ」をはじめ、「染食還」を切り口にした資源循環型ビジネスに力を入れてきたが、人形劇を機にアートを新しい成長のキーワードにしたい考えだ。

(山田太志)

 人形劇のきっかけは、同社の武蔵野美術大学卒のデザイナーが染め布で作った人形などのアート作品。完成度の高さに驚いた福井社長は、自社の資源循環型の取り組みを人形劇で表現しようと思い立った。6月に同社で開催したイベントでは、クラッシック音楽をバックに人形たちがユニークに踊り、資源循環のプロセスを紹介する自社制作動画を上映した。

 イベント当日は、同大学卒業で、現代アート集団「Chim←Pom」(チンポム)のメンバーとして活躍するエリイさんをゲストに迎え、循環型のビジネスやアートについて語るトークショーも開催した。また、キノコラボ見学ツアー、廃棄される靴下とコーヒー豆で作るワークショップ、ヨモギビールやカレー、スイーツの提供など、多彩なプログラムを組み入れた。

Caption goes here.エリイさんをゲストにトークショーも開催

 「町工場とアートが交わる場所を作ることが大事。人が集まることで、普段出会うことのない人やモノとの接点が生まれる。社内活性化の効果も大きい」と福井社長は期待する。今後も、どういう形でアートと事業を結び付けていくかを模索中だ。

 同社のある東大阪市は、全国屈指の町工場が集まる。地域経済の活性化やデザイナー支援などを狙いに、町工場をアーティストに開放する「アーティスト・イン・ファクトリー東大阪」プロジェクトを進めており、福井プレスもその一翼を担う。



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