【ニューヨーク=杉本佳子通信員】米小売り大手のシアーズホールディングスが15日、ニューヨーク南部地区破産裁判所に連邦破産法11条(チャプターイレブン=日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。シアーズは3億ドルの事業再生用短期融資確約を取り付け、さらに3憶ドルの融資について交渉中だ。
シアーズ、Kマート、オンライン及びモバイルコマースは通常営業を続けるが、年末までに142の不採算店を閉店する。シアーズはこれに先立ち、11月中に46の不採算店を閉店すると発表した。
長年、シアーズの再建に取り組んできたCEO(最高経営責任者)のエドワード・S・ランパート氏は同職から退くが、役員会の会長にはとどまる。当面は、ロバート・A・リーカーCFO(最高財務責任者)、デジタル・顧客経験・統合小売部門の最高責任者のリーナ・ムンジャル氏、アパレルとフットウェアのグレゴリー・ラドレー社長が日常業務を担う。
シアーズは1886年に「R・W・シアーズ・ウォッチ・カンパニー」としてミネアポリスで創業した。1893年には「シアーズ・ローバック・アンド・カンパニー」に名称変更し、アメリカの代表的カタログ及びデパートチェーンに発展。特にカタログ販売で一時代を築いた。しかし近年はミドルクラス市場の縮小に加え、店と商品に鮮度を出せず、長年苦戦を続けていた。