EU(欧州連合)の24年環境負荷表示の適用に先立ち、国際素材見本市プルミエール・ヴィジョン(PV)は前回のPVパリ7月展でエコレスポンシブル(環境に責任のある)プログラム「ア・ベター・ウェイ」(ABW)を導入した。ジル・ラスボルドPVゼネラルマネジャーに同2月展を中心に、ファッション産業の24年について聞いた。
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――ABWの反響は。
プログラムは企業が経営を継続でき、またバイヤーが理解できるように5項目で構成しました。出展社の期待に応え、個々のバイヤーが環境戦略の重要な項目から推進できるツールとなりました。
――2月展について。
「ファブリック」と「レザー」から導入したABWを、「マニュファクチャリング」と「スマートマテリアル」の2エリアに拡大しました。「アクセサリーズ」にも取り組んでいますが、素材が幅広く大変複雑で導入までに時間が必要です。ABWの補足として若いクリエイターや中小ブランドにとって環境のソリューションとなる「スマートクリエイション」とラグジュアリーブランドの未使用素材を集めた「デッドストック」の両エリアを強化しました。
「レザー」に関しては製品のオファーだけでなく、今回初めて同産業の川上、つまり牧畜業の環境からアプローチを試み、製品になるまでのトレーサビリティー(履歴管理)を取り上げました。
――24年の展望は。
ファッション産業は規制の時代に入りました。フランスで昨年から大企業を対象に始まった環境負荷表示がEU全体に広がり、表示項目も段階的に厳しくなっていくでしょう。環境負荷の大部分はサプライチェーンから排出されており、企業にとってトレーサビリティーと情報開示は大変複雑で難しい課題ですが、ABWはそれに役立つプログラムです。
日本企業には認証やトレーサビリティーがなければ欧州へ輸出できなくなると助言しています。職人技による特異な意匠性のある日本のテキスタイルを環境という文脈の中で発展させ、PVで成果を上げてほしいと願っています。
(パリ=松井孝予通信員)