三重の百貨店 地元密着で市民に選ばれる館へ

2023/08/02 11:30 更新有料会員限定


地元の魅力を詰め込んだ売り場で差別化している(近鉄四日市「プラグスマーケット」)

 三重県の百貨店が、市民や地元事業者支援を重視した地元密着型の提案で価値を高めている。名古屋駅までは近鉄特急で四日市から30分、津から50分。コロナ禍で全国的に消費が落ち込む一方、都心への流出が減り、身近な百貨店として存在感を強めた。行動規制が弱まった今、改めて地元事業の編集・発信、地域に寄り添ったMD再編に取り組み、ここにしかない価値を創出する。

 県内には00年代初頭まで、四日市市に松坂屋、伊勢市と松阪市に三重交通子会社の三交百貨店があったが、郊外型大規模SCの出店を機に閉店。現在は北東(四日市~鈴鹿)エリアに近鉄百貨店四日市店、南西(津~熊野)エリアに津松菱と、県内で営業する百貨店は2店となった。残る地方百貨店として、都心店にはない地元密着型のサービスを追求してきた。

近鉄四日市 地域特化し独自性強め

 近鉄百貨店四日市店(三重県四日市市)は地方都市の百貨店の「生き残りには自治体や地域とのつながりが不可欠」(山本勝徳四日市店長)とし、22年4月、ハンズとの協業業態のFC店「プラグスマーケット」を導入した。「地域を元気に」をキーワードに、ハンズの商品を地域ニーズに沿ってセレクトした売り場のほか、地域産品や地域の魅力を取り上げ、発信するコーナーを持つ。

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