【記者の目】苦境に立つ日本のテキスタイル 人手不足など構造的課題

2023/07/24 15:00 更新有料会員限定


テキスタイルの価値を伝える工夫が求められる(プレミアム・テキスタイル・ジャパンの丸井織物ブース)

 国内テキスタイル産地が苦境に立たされている。キーインダストリーと言われる染色のキャパシティーが縮小し、撚糸や織りでも小規模事業者の廃業が続くなどサプライチェーンは弱体化している。人手不足も重なって生産対応力が低下、納期は長期化し、オーダーはあっても機会ロスを起こす状況だ。従来の延長では打開策は見えないが、発想を転換し、国産テキスタイルの価値を業界内や消費者に改めて発信していくことが重要だ。

ひっそりと廃業

 プラザ合意、バブル崩壊、リーマンショック――日本のテキスタイル産業はたびたび窮地に立たされ、その都度淘汰(とうた)がありながらも産業として一定の規模を維持し続けてきた。しかし国内産地の多くの事業者は経営の後継者難を抱え、設備の更新や投資も出来ておらず、現場の人手不足も慢性化している。長年の構造問題を解消できていないうえ、コロナ禍やコスト上昇に見舞われ、廃業も相次ぐ。

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