移ろう季節とは無関係に、必須となったマスク生活。
「思いっきり心地よい空気を吸い込みたくなる!」のではないかなぁと。そんな思いを痛感する東京ライフの中で、時折訪れたくなる場所がある。
通称「都会のオアシス」こと、ホテル椿山荘東京の庭園だ。
1952年の椿山荘開業より70周年を迎える来年に向け、2020年よりスタートした庭園プロジェクト「東京雲海&千の光のライトアップ」。
その魅力については昨秋の当プロジェクト始動時に、すでに紹介済みではあるのですが。
7つに分類された季節「椿、桜、新緑、蛍、涼夏・深緑、秋、冬」の情緒あふれる風景に、訪れる人々の期待と感動は高まるばかり。
そして、いよいよ70周年目へとカウントダウン開始の11月11日より来年2月7日まで、ゲストを出迎えてくれるのは冬バージョン「森のオーロラ」(画像下)。
かつてノルウェーのトロムソまでオーロラ鑑賞に訪れたものの、無念の帰国となった筆者としては嬉しさ倍増!
「世界一の遭遇率!」というキャッチコピーも納得の当オーロラをイメージしたイブニングハイティーも、テイクアウト可能なメレンゲシャンティも、家族や友人たちと過ごす味わい深いプランに加えたく…
というわけで11月最初の「CINEMATIC JOURNEY」は、「母と子と、味わいの冬時間」をテーマに新作シネマをシェア。
まずは、「大分出身の日本人の母」と中国人の父のもとに誕生した香港映画界の巨匠、アン・ホイ。映画人として40年以上のキャリアを誇る女性監督のドキュメンタリー映画『我が心の香港 映画監督アン・ホイ』から開幕。
「これからも香港と香港の人々のために映画を撮り続ける」
と決意表明する監督は、2020年ヴェネツィア国際映画祭にて「生涯功労賞の金獅子賞受賞」の栄誉に輝いた。
世界的映画監督として、一人の女性として、また老齢の母と暮らす娘として口にする母への思いの深さなど様々な側面を、親族をはじめアンディ・ラウやホウ・シャオシェンほか、香港・台湾・中国映画界の著名人たちの証言も交えつつ、スクリーンに映し出されていく。
時に共感し、時に勇気をもらうのではないかなぁと。
ちなみに本作の音楽はテレビドラマのヒット作(『あまちゃん』『いだてん』)ほか、多方面で活躍する日本人音楽家、大友良英が担当している。
余談ながら、仕事を通じ、しばしば出向いていた香港にて、アンディ・ラウとのインタビューを実現するきっかけとなったのは、ホイ監督の感動作『桃さんのしあわせ』だった。
新宿K's cinemaほかにて全国順次公開中
2020©A.M. Associates Limited
<予告編>
「母と子と、味わいの冬時間」をテーマに旅する、11月最初の「CINEMATIC JOURNEY」。続いては、自閉症の息子と母が主人公の『梅切らぬバカ』。
二人暮らし歴半世紀という節目を迎えるにあたり、息子の自立について案じる「職業=占い師」という母役をカラリと、そして愛情深く演じる女優、加賀まりこ。
54年ぶりの主演作となる本作における、数ある撮影エピソードの中でも「撮影前に衣装(割烹着と手ぬぐい)を持ち帰り、使い込んで撮影に臨んだ」を耳にした瞬間、演じることへの熱き思いにココロが揺さぶられた。
そんな大女優と「あ・うん」の呼吸で息子役を演じたといわれる塚地武雅。
劇中で「息子の食べこぼしを母が拭いている」という一コマも、実は加賀さんのアドリブで演出ではないとのこと。
ご参考までに。
『梅切らぬバカ』
11月12日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2021「梅切らぬバカ」フィルムプロジェクト
<予告編>
「母と子と、味わいの冬時間」をテーマに旅した11月最初の「CINEMATIC JOURNEY」。締めくくりに、昨今注目度上昇傾向にある食のキーワード「ヴィーガン」と「アフタヌーンティー」のペアリング(?)の話題をここに。
東京・銀座のストリート名の中でもきらめき度の高い「並木通り」にたたずむライフスタイルホテル「ハイアット セントリック 銀座 東京」にて、今月末まで開催中の「Vegan Afternoon Tea」 は、目と舌でこだわりの味覚体験を楽しめる。
当ホテルでの食体験で「ヴィーガン」の充実度は定着感がある。
だからこそ、9月に提供して好評を博したケーキセットも、そして今月はさらにバージョンアップして新登場のアフタヌーンティー(3種類のセイボリーと6種類のスイーツ、そして日替わりの小菓子)も、吟味された食材と技のマリアージュとの出会いが…
なお諸説ある「ヴィーガンとは?」の中でも、「日本の伝統的な料理である精進料理は代表的なヴィーガン料理」という説は参考になるのでは。
うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中