グロコン・エイト代表取締役 杉浦吉郎さん 服作りの技と伝統、デジタル使い後世へ

2024/05/23 13:00 更新有料会員限定


杉浦吉郎さん

 後継者不足や収入面などの問題から、アパレルの物作りの伝統技術が消滅しつつある。グロコン・エイトは「失われようとしている伝統的な素材開発や縫製技術を後世に伝えたい」と立ち上がった。「夢のある面白い企業創造」を理念に、アパレル企業として心の豊かな社会を目指している。こだわりを極め、国内外市場でアパレル、テキスタイルなどにとどまらない幅広い分野に挑み始めた。その一つが「ファッション3.0」。「ブランドの価値観を多くの人に届ける」ことで伝統技術の伝承に期待を寄せる。昨年から「アパレル×NFT」に挑戦。服好きだけでなく、伝統的な物作りに理解を示す人の多さを改めて知らされた。

素材や縫製の技術を失う危機

 ――グロコン・エイトについて。

 上海で仕事をしていた時に、デザイナーのKITAHARA KEIZO(北原圭三氏)と出会い、北原氏を中心に上海で22年前に立ち上げたアパレルブランド「GROBAL CONTRAST」(グローバル・コントラスト)が事業の原点です。日本の優れた素材開発や縫製の技術を中国の現地法人に伝承して作った高品質な洋服は、服好きの人やアーティストから高い評価を得てきました。当初は中国市場で日系百貨店でのショップ展開や卸販売を行ってきましたが、現在は日本を中心に展開しています。ロゴマークの八角形は、八方に広がるアートの輪を表現し、八角形が意味する「常に動き続ける」という性質同様、ブランドの物作りの原点を一つの枠組みにとらわれずに、常に新しいモノやコトに挑戦し続ける、という姿勢を表しています。

 ――服作りのこだわりは。

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