興味深いリテールコンセプトが先月発表された。アプリベースのStorrは、「スマホを3回クリックすれば誰でもショップをオープンできる」という新しいタイプのデジタルマーケットプレイスであり、Neiman Marcusの元CEOやMacy’s.comの元CEOが後援している。
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消費者は、セレブリティや企業に起用されたスポークスパーソンよりも、自分たちのネットワークが最大のインフルエンサーであると考える。この点を踏まえ、友達やフォローする人たちから新しいブランドアイテムを直接買うというアイデアを採用している。
Storrによると、ブランドが配送や返品を行うが、従来の小売とは異なり、売り手となる人は15%から25%までのコミッションを受け取ることができるそうだ。つまり、Appleや Androidの端末を使ったり、ウェブサイトにアクセスしたりして、ユーザーがユーザーからモノを買う。Instagram、Twitter、Facebookなど、様々なプラットフォーム内でも直接やり取りができるようになるのだ。
創設者兼CEOのEric Sennは以下のように述べる。「このプラットフォームには(弱者を助けた英雄)ロビンフットのような感じがあります(通常は大手ストアに入っていたお金が一般庶民の売り手に渡るから)。知り合いから有名ブランドの新しい製品を買うことができるのです。通常ならばAmazonやMacy’sに払うお金が、売る人の手に渡ります。そのための値上げもありません」
小売業界の重鎮だけでなく、野球界のスター選手Alex Rodriguez、ファッションスタイリストでありアントレプレナーでもあるElyse Walker、David SacksのCraft Ventures、 Abstract Venturesなど、他分野の著名人や企業からも投資を受けている。
これは大手企業が支配する3兆ドル規模の世界の小売市場の非中央集権化を意味するとStorrは主張する。「一般の人たちが自分の所有物を使って収入を得ることをサポートし、AirbnbとUberはホスピタリティ業界と交通業界を民主化しました。Storrも同じカテゴリーに属しています。スマホがあればショップを出すことができるのです。これは中央集権型のチャネルを通じたコマースから非中央集権型の人を通じたコマースへの移行を促します」とSennは言う。
もちろんブランドの合意なしで小売ビジネスは成り立たない。同社はすでに、adidas、Re/Done Denim、Solid&Striped、La Ligne、 Jonathan Simkhaiを含む150以上のブランドと話を進めており、次々とブランドが新しく加わっているそうだ。
ブランドがStorrとタッグを組むのは時間の問題である。近い将来、いくつかの分野にわたり何千ものブランドを取り扱うようになるだろう。まだ生まれたてのアイデアだが、すでにいくつかの有名ブランドと提携を結んでいる。
Adidasのデジタル部門SVPを務めるScott ZalaznikはStorrとのパートナーシップについて以下のように述べる。「adidasはクリエイタースポーツブランドです。常にクリエイティブなコミュニティからインスピレーションを受けています。私たちの今後の戦略はクリエイティビティを民主化すること、より大きなインパクトを生み出すためにクリエイターを応援すること、新しい波を起こすためにStorrのようなツールを備えることです」
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