Lystによる最新リポート:2018 Year in Fashion(WGSN)

2018/12/28 14:00 更新


ソーシャルキュレーション型ECサイトLystは、同サイトを利用した8000万人のユーザーによる1億件以上の検索を調査し、1万2000件のオンラインショップによる合計500万製品に関するデータをトラッキングした。Instagramでのバイラル化が功を奏して名を上げた新星ブランドから大型インフルエンサーまで、2018年のファッションシーンを振り返る。

*WGSNの過去レポートはこちら

今年も様々なファッションインフルエンサーが活躍したが、そのトップを走るのはKylie JennerとKim Kardashianだ。未だにKardashian一家の影響力は衰えていないようだ。イギリスのロイヤルウエディングが世界で注目を浴び、Meghan Markleが上位に入った。Cardi B、Beyonce、Serena Williams、Chiara Ferragni、Blake Lively、Rihanna、Ariana Grandeもランクインしている。

「2018年はファッションがバイラル化した年である。ファッション関連のインターネットミームが話題を集め、Instagramがファッションに大きな影響を与え、新しいブランドとインフルエンサーがシーンに躍り出た」とLystは報告する。

Instagramで人気を得たブランドをランク付けするために、Lystは2018年のInstagramでのメンションおよびタグの数と検索数の相関性を調べた。スニーカーが人気のシューズブランドVeja、サステナビリティ重視のReformation、ストリートスタイルで名を馳せるAtticoが完全な勝利を収めた。インフルエンサーやイットガールがモデルを務める小規模なカプセルコレクションで話題のRealisation Parも上位にランクイン。歴史あるラグジュアリーブランドよりも手頃な価格のブランドがイットガールの支持を得て勢いづいている。Ganniの世界の検索数は52%アップし、StaudのShirleyバッグは今年の夏売り切れになり、Nanushkaのサステナブルなデニムが人々の共感を呼んだ。

ロゴブーム

ロゴブームが続く中、ファッションシーンにおけるストリートウェアの影響力は健在であり、Supreme、Champion、FILAが最も人気のロゴトップ3に選ばれた。その次に、Prada、Fendi、Gucciが続く。Pradaはネオンカラーとスポーツルックにより新たな関心を集めている。

最も人気のアイテムのトップ3は、1位がGucciのロゴベルト、2位がOff-White Industrialのベルト、3位がFendiのロゴタイツ。Ganniのピンクボイラースーツ、Realisation Parのレオパード柄スカートなど、イットガールのお気に入りブランドも上位にランクインした。Saint Laurentによるハート型サングラス、Pradaによる炎モチーフのヒールから見て取れるように、SNS映えがこのランキングに影響を与えている。

ヒットアイテム

予想通り、アグリースニーカーがヒットアイテムのトップに君臨。シューズカテゴリーのランキングでは、BalenciagaのTriple S、FILAの Disruptor、NikeのM2K Teknoが上位を占めた。ヒットアイテム2位のベルトバッグは検索数が80%アップ。GucciとTopshopのベルトバッグが人気を集めた。3位のレギンスは1ヶ月当たり40万件の検索数を記録。Lystで最も検索されたコートスタイルはパファーで、59%アップを示した。スライドサンダルも圧倒的な人気を獲得し、GucciのSupremeスライドサンダルが夏の売上トップアイテムとなった。小さめサングラスは検索数50万件で6位となり、Le Specs x Adam Selmanが最も人気だった。ジーンズは依然としてスキニージーンズが売上ナンバーワンであり、2018年第1四半期ではTopshopのJoniが最も多く検索された。Kardashian姉妹のお気に入りアイテムであるバイカーショーツが後に続き、検索数は78%アップを記録。Birkenstocks、Texas、Crocsといった履き心地の良い控えめなサンダルもトレンドとなり9位にランクインし、セレブの定番ファッションであるクロップ丈フーディーは10位に入った。

セレブリティによる売上効果

セレブリティがトレンドの火付け役となるケースは多い。Ariana Grandeの影響により、オーバーサイズフーディーが予想以上に売れたとLystは例を挙げる。

しかし彼女はセレブリティインフルエンサーの10位である。2位のKim Kardashianは頭からつま先までFendiのZucca柄でまとめた写真を投稿したことにより、Fendiロゴのブーム再燃に一役買った。Kylie Jennerは、AdidasのトラックスーツからDiorのサングラス、Victoria’s SecretのアンダーウェアやAlexander Wangのミニドレスまで200万件以上の検索を引き起こし、売上に影響を与えた。誕生日パーティーにピンクのミニドレスを着用し、その48時間後にピンクドレスの検索数が107%アップした。Meghan Markleの効果は絶大であり、彼女が着たブランドは検索数が少なくとも200%の大幅アップを示す。

RihannaがCoachellaで着用したGucciのバラクラバは検索数が19%アップし、Blake LivelyはRalph Laurenの検索数アップに貢献した。Serena Williamsが今年の夏に着用して物議を醸したOff-White x Nikeにより、ブラックのテニスウェアの人気が上昇した。

  

次のトレンドを知りたいですか?最新トレンド情報、小売分析、消費者インサイト、コンサルティングサービスを提供するWGSNにぜひご登録ください。  

WGSNについてもっと詳しく知りたい方は、フォームに入力の上、送信してください。


WGSNはファッションの総合情報源として、世界屈指のトレンドフォーキャストサービスです。14ヶ国以上に点在する業界エキスパートにより構成され、ローカル情報に精通すると同時に、グローバルな視点を持ち合わせたエキスパートが提供する情報はトレンド把握に欠かせません。トレンドリポート、小売業向けのビッグデータ分析、デザインの妥当性を確認できる市場調査サービス等、様々なプロダクトとサービスを展開しています。



この記事に関連する記事