日本と中国の違い15のポイント⑤「失敗」(田中宏高)

2019/05/13 06:00 更新


こんにちは。合同会社T&Lコミュニケーションズの田中宏高です。

今日は、失敗について書かせていただきます。

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簡単に言うと、日本は失敗に厳しすぎる、一方、中国は失敗を気にしなさすぎる、という傾向があります。

これを見ると、日本の方がいいに決まっています。

ただ、日本のように失敗に厳しすぎると、失敗を恐れすぎてしまい、チャレンジ精神が起こりません。結果、消極的で無難な選択をする傾向になってしまいます。

そういう面では、中国のほうがチャレンジ精神が旺盛になります。

中国は失敗を気にしない、と書きましたが、それはあくまでも失敗をした当事者であって、相手は被害を受けるわけなので、気にします。

この差が、被害を受ける側になった場合の日本企業や日本人にとってストレスになることが多いのも事実です。


この感覚の違いは、多分、埋められないので、その前提で準備をするしかありません。

準備とは、失敗した場合の対応策を予め準備する、ということになり、契約という形も必要となります。また、失敗しても困らないようなスケジュール的な余裕、コスト的な余裕も必要となります。


さらには、失敗を気にしない、ということは、反省もしない、かもしれません。そうすると、自浄能力は上がりません。改善が進まない、ということになります。

失敗を恐れて何もしない日本人、と、失敗は気にしないので改善が進まない中国人、ということになります。

その両者が競争した場合は、中国人が先に進めるが不安定、というのが国レベルの経済状況も反映していると思います。


田中宏高(たなかひろたか) 合同会社T&Lコミュニケーションズ代表社員。72年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、アパレル商社に在籍。退社後、単身中国にわたり、ローカルの縫製工場で勤務。その後、上海にて百貨店の立ち上げプロジェクトに参画。同時に、販売現場の運営管理を経験。その後、独立。日中のファッションビジネスの経験を生かして、コンサルティングのみならず、中国進出日系企業支援、OEM生産、イベント開催、関連サイト・アプリケーションの立ち上げなど多岐にわたって活動中。著書「ビジネスで中国人に負けない本」(アスペクト社)



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