こんにちは。合同会社T&Lコミュニケーションズの田中宏高です。
今日は、計画性について書かせていただきます。
一般的には、中国人は計画性がない人が多いです。
そもそも計画が必要な大きな目的は、「無駄を省く」ことです。
無駄なことをやっていると利益がなくなってしまうから、計画性をもって無駄を省かなければならないのです。
一方、中国は圧倒的にコストが安かったので、少々無駄があっても利益が確保できていました。無駄を省こうと優秀な人材を使うと、そういった人材は人件費が高くコストがかかって、能力が低く人件費が安い人を使っているよりも逆に利益が減ってしまう、という場合も多くありました。
つまり、無駄があっても困らなかったので、計画性の必要性が日本より低かったのです。当然、計画性を重視しないので、計画性がない人が多くなります。
とは言え、ご存知のように、中国の人件費はどんどん上がっています。
それに合わせて、中国の企業も、無駄を省いて計画性を持たなければならなくなっています。中国の経営者が、そのことを一番感じています。
しかし、計画性をもつことに対する「ノウハウ」「経験」がないため、いつまでたっても計画性が持てないのが実情です。
中には、経営側が計画性を持つ会社も出てきましたが、それを従業員と共有することは至難の業です。
今まで計画性がなく仕事をしていた従業員に計画性を持たせようとすると、当然仕事量が増えます。そうすると、「給料をあげないとやらない」ということになり利益がより一層減ってしまうのです。
最後に、逆説的な意見になりますが…
中国企業・中国人が計画性をもって行動したら、日本はもちろん、世界がおかしくなります。13億人が計画性をもって効率よく仕事をしたら、世界中の仕事が中国人に独占されてしまいます。
中国企業の計画性がなく、ストレスを感じる人も多いと思いますが、実は喜ばしいことかもしれませんね??
田中宏高 たなかひろたか 合同会社T&Lコミュニケーションズ代表社員。72年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、アパレル商社に在籍。退社後、単身中国にわたり、ローカルの縫製工場で勤務。その後、上海にて百貨店の立ち上げプロジェクトに参画。同時に、販売現場の運営管理を経験。その後、独立。日中のファッションビジネスの経験を生かして、コンサルティングのみならず、中国進出日系企業支援、OEM生産、イベント開催、関連サイト・アプリケーションの立ち上げなど多岐にわたって活動中。著書「ビジネスで中国人に負けない本」(アスペクト社)