国産の綿花栽培がじわじわ広がってきた。有機栽培による環境への優しさを訴求するだけでなく、休耕田の活用、地域活性化などSDGs(持続可能な開発目標)の観点への注目が高まる。コロナ禍以降の価値観の変化で、土や綿花との触れ合い、地元社会との共生の大切さなどが重要視されてきたほか、素材のストーリーを求める個性派企業やデザイナーとの取り組みも増えている。収穫量はまだ微々たるものだが、規模以上に好ましい話題として受け止められているようだ。
(山田太志)
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持続可能な仕組み
11年から兵庫県で綿花栽培「かこっとん」プロジェクトに取り組むのが鷲尾吉正代表。今年は昨年に比べて3倍近くの3万4000平方メートルに作付け面積を広げた。「もっと面積を広げてという声も強かったが、持続可能な仕組みを整備していくために規模を抑えた」。栽培農家へは1キロ当たり2500円の収入を保証し、収穫などを依頼する就労継続支援事業所にも一定の収入を保証する。
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