商社は、ベトナムの繊維・ファッション産業の変化に対応する施策を相次いで打ち出している。ベトナムにおける今後の労働コスト上昇に備えて、原料・素材からの付加価値向上や、縫製工場の都市部郊外からの移転、ベトナム内需や欧米向けなど新規市場開拓に向けた動きも活発化している。
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ベトナム起点で稼ぐ
伊藤忠テキスタイル・プロミネント・アジア(IPA)は今期の重点施策に「サステイナブル(持続可能な)原料起点によるバリューチェーンで稼ぎながら、ベトナム内需とASEAN(東南アジア諸国連合)内需の成長を取り込む」ことを掲げる。その際に同社は「傘下企業二百数十社、従業員数24万人のベトナム国営企業であるビナテックスとの取り組みは、原料からブランドビジネスまで、各段階で緊密に推進する」方針だ。ビナテックスグループの大手繊維・縫製企業、ドゥクザンコーポレーションとの連携では、ベトナム航空や石油公団、鉄道関連などベトナム国内の企業ユニフォームへの「レニュー」をはじめとするサステイナブル素材の生地供給を開始した。
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