《アジアのハブへ・ベトナムの現在地➀》欧米市場に翻弄されるも底堅く

2023/06/22 11:00 更新会員限定


「『レニュー』をはじめとするサステイナブル素材で市場を広げる」と、伊藤忠テキスタイル・プロミネント・アジアの森田氏

 ベトナムの繊維・ファッション産業は、昨年のコロナ禍後の国内外におけるリベンジ消費の盛り上がりで、輸出や内需で活況を呈するも、その後の欧米市場低迷のあおりを受けて、急速に冷え込む激しい動きとなっている。その一方で、日本向けの衣料品生産は堅調に推移。欧米向けに注力していた現地縫製工場でもリスク分散を目的に日本向けの受注を求める動きも出てきた。日系商社のOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)事業では、ベトナムでの今後の労働コスト上昇に備えて、原料・素材からの付加価値向上や、縫製工場の都市部郊外からの移転、ベトナム内需や欧米向けなど新規市場開拓に向けた動きが活発化している。また、米中デカップリング(分離)を背景にした〝ノンチャイナ〟シフトが欧米市場向けを中心に加速。〝中国産〟を回避する流れは、ベトナムでの生産を広げる契機となり、この国の更なる経済成長への期待に拍車を掛けている。

春までは厳しい見込み

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