2024年価値組宣言!

長年続いた低価格志向からの脱却を目指す企業が増えています。繊維・ファッションビジネスの価値を消費者にしっかり提供する動きに着目し、「2024年価値組宣言!」と題して新たな流れを追います。

TSI「ヒューエルミュージアム」 新市場への挑戦 「思い」ぶらさず危機から反転

2024/01/31

 コンセプトを立てたのに、調子が悪いと他社の売れ筋に似せ、得意でないテイストまで取り込む――多くのブランドが行ってきた手法だ。消費者は一番お得に買える店で済ませようとするためブランドに帰依はしない。かくてブランドは...

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ルッチカーレ 迷える男性を定番品で輝かせる 魅力を伝えきる力で心つかむ

2024/01/30

 イタリア語で「光輝く」を意味するルッチカーレは、岐阜県のメンズインポート専門店。合わせやすく、長く着られる定番品を揃え、動画やブログでも魅力を伝える。服選びに迷う男性客にかけがえのない買い物体験を提供し、定番品に...



東レ ウィンウィンで適正価格貫く 高い技術は相場に左右されない

2024/01/29

 サプライチェーンの源流にある素材メーカーはコスト上昇が直撃し、価格転嫁が課題だ。東レは取引先や消費者にウィンウィンの価値を提供することで適正価格を貫く〝戦略的プライシング〟で稼ぐ力を強化する。市場創出の経験 東レ...



アップサイクル「ニュイ」、購入への道のりが育む愛着 かける時間と労力は価値の証し

2024/01/26

 ワンクリックで欲しい物が手に入る時代。「欲しい」から「手にする」までの距離は大幅に縮まった。しかし、だからこそ欲しくても手に入らない物に人は熱中する。時間と労力を使い、手に入れた時の喜び。「欲しい」から「手にする...



中田工芸 消耗品から〝福かける〟道具へ 贈答・自家需要を掘り起こす

2024/01/25

 英ロンドンのサビル・ローに軒を連ねるテーラーが認めた日本製のハンガー。それは中田工芸(兵庫県豊岡市)の「ナカタハンガー」だ。サビル・ローに販路を持つ洋品ケアグッズメーカー、アータートンのウィリアム・ウォン氏は「外...



サンエース 価格を決めるのは価値 感動レベルの動きやすい服を

2024/01/24

 「服を通して社会に感動を伝える」――ODM(相手先ブランドによる設計・生産)主体のサンエース(岐阜市)の社是だ。価格を決めるのは価値で、価値とは感動度合い。その感動を生むには、「世に無い物を作ること」と浅野勝三社...



ストライプインターナショナル 低価格ながら良質化を実現 生産も「自分事」にして精度アップ

2024/01/23

 低価格で良質な商品を販売するストライプインターナショナルの主力ブランド「アメリカンホリック」。商社と組んで生産の効率化とコスト軽減に努める。「安心できる価格に品質も担保し、限られた可処分所得の中でおしゃれする喜び...



しまむら 消費者は価格だけを求めていない 「プレミアム」効果で一品単価8%増

2024/01/22

 「3年間追求してきたことがうまくいった」としまむらの鈴木誠社長。23年度は原材料費や人件費、物流費が上昇し、下期は残暑にも見舞われたが、一品単価の引き上げで既存店売上高を伸ばし、収益力が高まった。値引きから付加価...



《2024年価値組宣言!》〝低価格思考〟脱却の時

2024/01/01

 繊維・ファッション業界にコスト高の波が押し寄せている。世界的なインフレ傾向で原燃料価格が上昇、これに一昨年来の急速な円安が追い打ちをかけている。製造から小売りまで各段階で価格転嫁が焦点となっているが、長く続いたデ...



総合アパレル 高価格ブランドで挑む 「これなら通る」価値を追求

2024/01/01

 総合アパレルが相次いで高価格ブランドを開発している。背景にあるのは主力販路である百貨店からの要請。上質な物を求める客が増えているからだ。アパレル側にとってはブランドのポートフォリオで空いているハイエンドゾーンを埋...