英ロンドンのサビル・ローに軒を連ねるテーラーが認めた日本製のハンガー。それは中田工芸(兵庫県豊岡市)の「ナカタハンガー」だ。サビル・ローに販路を持つ洋品ケアグッズメーカー、アータートンのウィリアム・ウォン氏は「外観や手触りの上質感はもちろん、ジャケットが形崩れしない逸品」とほれ込む。目の肥えた客が多いこの地で通用する数少ないハンガーという。氏の協力もあり、ナカタハンガーはわずか2年で現地でのシェア7割をつかんだ。
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業務用の限界
中田工芸は木製ハンガーが主力の専門メーカーだ。ファッションの店舗ディスプレーやホテルの客室などの業務用を提供している。この用途ではブランドの品格を損なわない外観や品質が求められる。その点は強みを生かせる一方、当然コストへの要求もクリアしなければならない。
近年は世界的に実店舗の縮小傾向に拍車がかかる。業務用ハンガーは屋台骨だが、事業の将来を見据え、これだけではもう一段の成長は難しいと感じていた。
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