ゾゾ前澤社長が語る「ZOZOARIGATO」の真相と新戦略㊤

2019/03/13 06:30 更新


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 「EC主体へのビジネスモデルへの転換がファッション業界の課題解決に直結する。そのためにゾゾタウンとPB『ゾゾ』は、ブランドの次世代事業モデルを支援するプラットフォームになる」――ゾゾの前澤友作社長が「ZOZOARIGATO」有料会員サービス導入の真意と今後の方針を語った。

 来期は「ファッション業界全体のEC比率を加速度的に上げていく。ゾゾタウンとしてはリアルモールとの競合は避けられない。ただ、なるべく競争を避けるため、ブランドと共同で独自商品の開発を始める。ブランドの自社EC支援にも、さらに力を入れる」考えだ。

 ゾゾタウンの一層の成長やビッグデータのフル活用、ファッションブランド支援など、新戦略の実行に入る。

(疋田優)

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 価格表示の選択機能の追加で収拾に向かいつつあるARIGATOメンバーシップ。恒常的な値引きを問題視するブランドの離脱が話題となったが、その真意はゾゾタウンの成長が「オフライン客の取り込み」のステージに入ったためという。

 ARIGATOは、百貨店やモールなどでも導入されている類の一般的な会員向けサービスです。ゾゾタウンでもいつか導入したいと考えてきました。店頭に劣らないという意味で価格は非常に重要な要素。会員向け割引サービスを展開するリアルモールに、価格の面で劣っていた点を払拭するために導入しました。

 ゾゾの商品取扱高は今期、3000億円を超えます。試着もその場での持ち帰りもできないECながら、ここまで成長できました。

 ただ、さらに成長していくためには、少なくとも価格面でリアルモールに劣っている状態は芳しくない。「ゾゾタウンで商品を見て店で買う」お客を対象にアンケートを取ると、「試着したいから」に次いで多かった理由は「店の方が安いから」でした。

 ARIGATOでそうしたお客の流出を防ぎたい。お客はなるべく安く買いたいはずで、価格面でリアルモールとの競合は避けられません。

 ブランドの一部離反は想定していましたが、私的な報道の過熱や、そこに便乗した「ゾゾ離れ」というマイナスワードは想定外。確かに短期で導入を決め、出店ブランドに導入説明が丁寧でなかったことは素直に反省しています。

 急いだ理由は、約6年前のコーディネートアプリ「ウェア」で商品バーコード読み取り機能に対し、リアルモールの反発があった経験から。時間をかけて説明しても、利害の壁は越えられない。行動あるのみ。融和は難しいです。

 価格表示パターン選択機能を追加して以降、出品停止だったブランドの再開や、ベイクルーズさんのように実店舗の商品とは競合しないゾゾタウン別注商品を展開しようという動向もあり、信用・信頼は取り戻しつつあります。

「EC主体のモデルこそアパレル業界に必要」と話す前澤社長

 ファッションニーズが多様化した今、次代にふさわしいファッションビジネスモデルへの刷新が必要と見る。それが「EC主体のビジネスへの移行」。ゾゾは来期からブランドに対し、そうした働きかけを鮮明にする。

 ゾゾタウンを運営して15年、もっとファッションを盛り上げたいと思う一方、アパレル業界は「過剰在庫」と「値引き」の問題に悩んでいると感じます。

 おこがましいですが、その解決方法はブランドやメーカー、小売りがEC主体のサプライチェーンに移行していくことと考えます。店の分だけ在庫を持つ考え方から、ECや主要店舗に在庫を寄せ、流動的に在庫を回せる仕組みが必要です。

 現在業界のEC比率は約10~20%程度と想定しますが、これが30~40%程度になれば、過剰在庫が減り、セール過多問題の解消も進むはずです。これまでECは店の脇役でしたが、「EC主体のモデルこそアパレル業界に必要なこと」と堂々と主張していくべきタイミングを迎えたと思っています。

 今ゾゾタウンでは店舗を持たないネット専業ブランドが目覚ましく成長しています。ゾゾタウン出店ブランドの全体の売り上げ成長率(前年対比)が約20%なのに対し、ネット専業ブランド売り上げ上位5ブランドの成長率は74%で、平均売り上げは16億円超になっています。

 これらブランド・企業は「ゾゾタウンで売れること」に集中・研究し、特に若年層のお客様に人気。たった数枚の商品写真でも服を購入できる若い顧客が確実に増えています。

 また、ネット専業なので、店舗経費も過剰生産もなく高効率で、いい商品を低価格で販売できる。まさに新時代のブランドです。

㊦に続く


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