wearcoord(ウェアコード、東京、菊地雅之代表)は、ECサイト上でコーディネートの着せ替えができるサービスを提供するスタートアップ。サイズやイメージ違いによるECの返品率削減を支援する。市場ではAR(拡張現実)などを使った仮想試着サービスが広がるが、あえて一点ずつ撮影した2Dの写真を使用する。「バーチャルはイメージに過ぎない。リアルにこだわりたかった」と菊地代表。このほどナラカミーチェジャパンが導入した。
(永松浩介)
菊地代表は楽天出身。21年7月に会社を立ち上げ、サービスをリリースしたのは23年12月。DtoC(消費者直販)ブランドの「テネス」などが採用している。
推奨コーデも実装
サイト上に埋め込んだ試着エリアで、ユーザーは好みの商品を固定し様々な着せ替えができる。着用感が分かるように、着せ替え用のマネキンの身長は標準の158センチと165センチ、体形は「痩せ型」「普通」「ふくよか」の3タイプを用意。合計6タイプから自分に近いものを選んでもらい、着用時をイメージしやすくした。
例えば、気になるトップを固定、ボトムをサクサクと指スワイプで変更するといった具合。事前に写真を撮っておけばジャケットを着せたりもできる。手持ちのアイテムと合わせたい時は似た商品で試してもらう。ブランド側からのお薦めコーディネートも今後実装する予定だ。
撮影は同社が請け負い、着せ替え画像を加工しデータを納品、ブランド側がサイトに上げる。特定の商品にだけ実装することも可能だ。「ARや3Dを使ったサービスよりも手軽でコストも安い」。ARなどは動きが重く操作性に難があったりするが、2Dなので軽いし撮影写真なのでリアリティーがある。
お気に入り保存も
今後はクローゼット機能も導入する予定。お気に入りをチェックすると自動でクローゼットに保存される。複数ブランドを扱う企業で各サイトにウェアコードを実装していればブランド横断で着せ替えが可能になる。また、バッグやリュックなどを含めた全身コーディネート確認機能も導入する予定だ。
提供先とは、試着経由の購入率や購入単価など計測数値を共有し、導入前後の数値比較や運用の改善に役立ててもらう。菊地代表は「店舗で試着しなくても気になる商品のコーディネートやリアルなサイズ感が手元で簡単に分かるのはメリットのはず」と話している。