コーディネート投稿アプリ「スタッフスタート」を提供するバニッシュ・スタンダード(東京)はEC上の店舗スタッフのコーディネート写真についての消費者調査を行った。それによると、スタッフのコーディネート投稿を参考にする人の7割以上がリアル店舗に行ってみたいと思い、そのうちの6割が実際に店舗を訪れていた。10月にインターネット調査を行い、全国の10~60代の男女1200人(男性600人、女性600人)から回答を得た。
【関連記事】「スタッフスタート」 流通経由売り上げ年間2000億円を突破
自分に似合うか
ECで服を購入する頻度を尋ねると、男性は「購入したことがない」が24.0%で最も多く、「月に1回程度」(17.3%)、「月に2、3回」(16.5%)、「2、3カ月に1回程度」(14.5%)と続く。女性は「2、3カ月に1回程度」(18.7%)が最も多く、「購入したことがない」(18.3%)、「月に1回程度」(17.7%)、「1年に1回未満」(12.7%)の順。月に1回以上購入する人は男性で40.5%、女性で35.8%いた。
「ショッピングサイトやアプリ上で購入する際に商品を使ったスタッフのコーディネートを参考にするか」の質問では「参考にする」のは男性で36%、女性で54%だった。
「参考にする」と答えた人に「参考になると思う理由」を聞いたところ、男女ともに「自分と似た体形の人のコーディネートが見られるから」という回答が最も多く3割を超えることから、自分に似合うかどうかを重視している人がコーディネートを参考にしていると考えられる。また、「同じ服でたくさんのコーディネートが一気に見られるから」を理由にしている人も、男女ともに2割以上おり、着回し力があるかどうかを商品を選ぶ軸の一つにしている人が多いようだ。
スタッフのコーディネートを参考にすると答えた人に「スタッフのコーディネートを見た際に、そのブランドの店舗に行きたいと思ったか」を尋ねると、「とても思った」「まあまあ思った」人が男性で78.9%、女性で71.4%いた。店に行きたいと思った人のうち、実際に店舗を訪れたことがある人は、男性で67.9%、女性で62.6%だった。
店を訪れた理由を尋ねると、女性は「購入を検討していたアイテムを実際に見たいから」が52.0%で最も多く、購入の最終判断のために店舗に行っているのに対し、男性は「他の商品も見たい」の46.2%が最多で、店舗ならではの商品との偶然の出会いを求めている傾向が高いと推測できる。一方で、「スタッフに会いたい」「スタッフにコーディネートを組んでもらいたい」という〝スタッフ起点〟で店舗を訪れる人も男女ともに1割前後いることもわかった。
ブランドのファンに
店舗に行ってみたいと思ったが店舗に行かなかった人に理由を聞いたところ、「店が家の近くにない」という立地上の理由が半数以上を占めた。「ネットショッピングの方がお得だから」というお得さの重視は3割前後にとどまった。
これらの結果から、スタッフのコーディネート投稿はリアル店舗への来店動機になると考えられる。コーディネート投稿がきっかけの来店理由も、今欲しいアイテムの検討材料だけでなく、他の商品への興味や、スタッフに接客を受けたり、新たなコーディネートを組んでもらいたいと思っていることから、ブランド自体のファン化によるLTV(顧客生涯価値)向上の効果も期待できる。