内野(東京)のOEM(相手先ブランドによる生産)が好調だ。現在、年間約200社から受注し、23年8月期の売り上げは「前期比50%増で、コロナ前の19年を上回った」(伊藤則雄執行役員)という。同社は百貨店向け商品が主力だが、OEMによって「あらゆるチャネルと取り組むことで当社の認知度を広く高めていきたい」としている。
同社のOEMはタオルやウェア、寝装品など多様だが、伸びているのが相手先ブランドとのダブルネームだ。「まだOEM全体の1割程度」の売り上げだが、「上質なブランドとしてお客様に安心感を与える」として、ダブルネームを望むブランドが増えてきたという。タオルは大手化粧品メーカーがノベルティーとして活用するケースが多く、百貨店顧客に対して訴求力がある。
ウェアは素材にこだわるファッションブランドとの協業が進む。同社は長年、綿素材の開発に力を入れおり、パイルやガーゼなど、肌に優しく、軽くて柔らかい素材を豊富に持つ。自社開発したガーゼのリラクシングウェアやリゾートウェア、パジャマなどが好調に売れている。特許素材である「マシュマロガーゼ」を使用し、「プランテーション」とは数年前からシャツやワンピースなどを開発してきた。「ナノ・ユニバース」は昨年発売した新レーベルで快適性とデザイン性を両立したカーディガン、シャツ、パンツを発売した。ファッションブランドとの協業は今後も積極的に進めていく方針で、「織物に加えて今年はニット製品も開発した。今後も高級綿素材でアピールしていきたい」としている。