東レは、ストレッチ素材の総合ブランド「プライムフレックス」の新タイプを開発した。複合紡糸技術「ナノデザイン」を活用し、0.8デシテックスの細さながら従来と同等のストレッチ性、細やかな表面感、スムーズな肌触りが特徴。19~20年秋冬向けから展開し、初年度1万反、3年後5万反の販売を目指す。
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新タイプは、ナノデザイン技術による2成分の薄皮偏心芯鞘(しんさや)構造。通常の芯鞘構造より2種のポリマーの重心を離し、より細かく均一な捲縮(けんしゅく)を実現した。生地にする段階でも、糸加工や染色仕上げでさらに捲縮を細かく均一にし、表面の凹凸を軽減している。繊維径を細くする際の口金からの吐出安定性の課題は、低粘度の樹脂で径の数%の厚みの膜を作り流れを安定させることで解決した。
これまでのプライムフレックスはメンズやスポーツ向けが中心だったが、新タイプは繊維が細くなり、表面のなめらかさやしなやかなドレープといった風合いが表現できるようになったため、主にオフィスカジュアルやレディス向けを狙う。レディス向け7割、メンズ向け3割を想定する。28、29日に開く19~20年秋冬レディス向けテキスタイルで展示する。
プライムフレックスは、原糸が異なるポリマーを貼り合わせるバイメタル構造糸使いで、潜在捲縮(けんしゅく)と高捲縮な仮撚り加工を組み合わせて優れた伸縮性とキックバック性を備える。年率2ケタ増で伸びている。
