東レの18年4~9月連結決算は、売上高、経常利益が過去最高を更新した。営業利益は微減益。継続的なコストダウンや値上げなどを実施したが、原料価格上昇の影響を吸収しきれなかった。通期見通しは、炭素繊維複合材料事業のコストが膨らみ営業利益、経常利益を下方修正するが、純利益を除き過去最高を計画している。繊維事業は通期で初の売上高1兆円になる見通し。営業利益810億円も過去最高益の予想。
繊維事業の売上高は前年同期比19%増の5031億円、営業利益は17.5%増の418億円となった。国内、海外いずれも増収増益だった。衣料向けは各用途で拡販したほか、重点施策である糸わた、テキスタイル、製品の一貫型ビジネスが拡大した。産業用途はエアバッグなど自動車向けを中心に販売が堅調だった。衛材用途のポリプロピレンスパンボンドも伸ばした。原料価格上昇の影響はあったものの、販売数量を増やしたほか、商品の高付加価値化や値上げなどにより、コストアップを補った。
主要子会社のうち、東レインターナショナルの売り上げは25.2%増の3347億円、営業利益は23.2%増の69億円となり、繊維が全体をけん引した。海外子会社の繊維事業も概ね堅調だった。中国の子会社の繊維売り上げは16.2%増の1579億円、営業利益は13%増の148億円。東南アジアの子会社の繊維売り上げは18.5%増の781億円、営業利益は6.8%減の41億円だった。