ニッケは、岐阜工場(岐阜県各務原市)で羊毛のトップメイキング(梳毛)工程を設置すると発表した。27年3月に稼働予定で、約26億円を投資する。
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同工程を設置する狙いは、「品質向上、トレーサビリティー(履歴管理)強化、環境負荷の低減」という。トップメイキングは、羊毛原料「羊毛トップ」を作る重要な前工程。羊毛を開繊し、繊維をくしでとかすようにきれいな状態に整えることにより、均一でむらのない羊毛トップを作ることができる。
同社によると、日本の毛織物産業は羊毛トップを海外から調達しているが、人権や環境への配慮も含めて原料のトレーサビリティーが「絶対条件になりつつある」という。欧州のDPP(デジタルプロダクトパスポート)への対応も踏まえた判断となる。
トレーサビリティーは、ニッケが指定したタイプ別に原料を買い付けて牧場を把握。その上で同社の品質基準を満たすオーストラリアおよびニュージーランドの工場での洗毛を経て調達する。
環境面では最新設備を導入し、過去の国内生産時と比べて二酸化炭素の排出量を約20%削減する。
品質面は、海外から羊毛トップを輸送中に含水量が変化するなどの原料劣化リスクがない点を強調。その上で「当社の技術を生かした良質な羊毛トップを使うことで、欧州をはじめとする海外市場での競争力が大いに高まる」との考えだ。
今回の投資による事業計画は、経済産業省の「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」(第4次公募)で採択され、補助金の交付が決まった。同社が掲げた賃上げ目標(年平均上昇率)は30年11月期までの3年間で、従業員が6.2%、役員が5%とした。