新たな事業に挑む青森の縫製工場サンライン 都内百貨店に限定店

2020/11/21 06:28 更新


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 青森県の紳士服縫製工場、サンラインは新型コロナウイルスの感染拡大で受注が減り、服作りが困難な状況でも攻めの姿勢で新たな事業にチャレンジしている。都内百貨店に自社ファクトリーブランドの期間限定店を開設するとともに、地元の商業施設内で洋服のお直し店の運営を始めた。

(大竹清臣)

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 同社は3年前に尾州の生地メーカーと東京のデザイナーと組み、新会社のサンラインジャパンを立ち上げ、自社ファクトリーブランド「イン・ア・カデイト」を始動した。

服作りなら何でも

 1年目に展示会を開催し、卸先の開拓を目指した。試行錯誤の末、2年目に都内百貨店とパターンオーダー(PO)コートの取り組みをスタート。3年目はコロナ下で大手アパレルの売り場撤退が相次ぐ中、思いがけないチャンスが訪れた。9月1日~11月末まで松屋銀座本店紳士服フロアで期間限定店を開くことになった。売り場は約50平方メートル。自社生産のPOを中心にしたジャケットやコート、スーツなどを揃える。職人による実演イベントなどファクトリーとしての強みを生かした販売も計画する。売り場の一角に「バイブリーコート」など大人のカジュアルブランドも揃え、共同運営している。

 縫製工場は夏まではアパレルからの受注が減り、既製品の生産は60%減少した。服よりも布マスクや医療用防護服の生産が大半を占めた。この傾向は来春まで続きそうだ。そのため、「服作りなら何でもやろう」(佐藤克豊社長)との思いから、パンツラインは稼働を続けた。さらに3本針のカットソートップやレディスウェアの生産にも着手した。新たに導入したCAD(コンピューターによる設計)を駆使し、紳士服のPOも強化してきた。東北の知人の縫製工場の場を借り、今秋、初めて出張オーダー会を開催した。地方都市では百貨店の撤退が相次ぎ、既存のオーダースーツ需要を獲得するチャンスでもある。今後も地元の商業施設内などでオーダー会を開催する計画だ。

苦手分野も恐れず

 8月初旬には、工場の近隣都市の弘前市の商業施設「ヒロロ」にお直し店「みしんみしん」をオープンした。元サンラインの縫製スタッフで大手お直し店での経験もある女性を店長に起用し、1カ月の急ピッチで出店にこぎつけた。

 店頭ではEC購入品や古着のサイズ修正から思い出の服のリメイクまで多様なニーズに対応する。「工場は作ることは得意だが、接客や営業など苦手なことも多い。だが、こういう厳しい環境でも前向きにとらえ、変化を恐れず初めてのことに挑戦しないと生き残れない」(佐藤社長)と言い切る。

自社ファクトリーブランドの期間限定店を松屋銀座本店に開設

(繊研新聞本紙20年10月15日付)


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