国内の紳士服工場、自社ブランド開発で自立経営目指す 環境激変で新販路も開拓 

2022/05/25 06:30 更新有料会員限定


多様な消費者の要望や体形に応えられるパターンオーダースーツ(本宮三東スーツ)

 国内の紳士服工場で自社ブランドを開発する動きが強まっている。コロナ下でスーツ離れに拍車がかかるなか、オーダースーツやジャケットを中心に、これまで工場が培ってきたテーラードの技術を生かして新たな需要の掘り起こしに挑む。自社ブランドの生産比率を高めることで、依存度が高いOEM(相手先ブランドによる生産)の受注に左右されず、安定した年間稼働による縫製工場の自立化を目指す。

(大竹清臣)

 20年春からのコロナ禍で国内縫製工場の受注は激減した。しかし最近、カットソーアイテムなどカジュアル分野では、海外生産の不安定な供給体制を改善するリスク分散策の一つとして国内回帰の流れもある。国内工場はフル稼働状態が続き、新規の生産依頼を断るほどだという。少しずつ状況が改善しているとはいえ、紳士服の受注が完全に元に戻ることはない。従来型のテーラードスーツの既製品を生産する工場は、生き残るためにも自社ブランドの開発による新事業の確立は避けて通れないだろう。

 本宮三東スーツ(福島県本宮市、佐藤恵一社長)は昨年10月、オーダースーツシステムと既製品のオリジナルブランドの展示会を東京で開いた。今春に2回目を開き、オーダースーツに手応えがあったという。同社のオーダースーツは熟練職人による専用ラインで生産する総毛芯仕立てが特徴だ。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。

すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!

今すぐ登録する

今すぐ登録する

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード有料会員限定



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事