スポーツタカハシ eスポーツ事業を本格化

2019/08/19 10:59 更新


 スポーツ専門店のスポーツタカハシ(大阪市)は、今年3月から開始したeスポーツ関連の「スポタカEX事業」を本格化する。5月には地域計画建築研究所(アルパック)と共同で「大阪eスポーツ研究会」を発足、7月6日にはアメリカ村で初のeスポーツ大会を開いた。「アメリカ村は家族連れなど客層が広がっている。高校野球の甲子園のようにミナミ地区をeスポーツのメッカにしたい」(高橋勇多専務)と意気込む。

(小田茂)

草の根から認知拡大

 初のeスポーツ大会「第1回スポタカ・カップ」は、格闘技ゲーム「ブレイブルークロスタッグバトル」を使用した。予選はアメリカ村のランドマーク施設「ビッグステップ」にある店舗に併設したスケートボードパークで行い、全国各地からプロゲーマーら約60人が参加した。決勝は公開形式でビッグステップの大階段で実施し、150人の観衆を集めた。

 今後も奇数月にはミナミ地区を中心にeスポーツ大会を開催し、「草の根から認知拡大を目指す」考え。12月には連日型のeスポーツ・イベントを計画している。

 大阪eスポーツ研究会は基本的に偶数月に会合を設けている。同研究会には心斎橋や難波の商業施設や企業、行政、学識経験者など40人ほどが参加。「eスポーツによって大阪を盛り上げよう」と産官学連携を進めている。各種団体や企業は「eスポーツに対する関心は高い」とし、引き続き参画希望者を募っている。5月には研究会発足セミナー、シンポジウム、プロゲーマーによるエキシビジョンマッチも開催した。今後はeスポーツ関連のイベント、スポンサー、マッチングサービス、グッズ販売などによる事業の収益化も構想する。

7月にはアメリカ村で公開形式のeスポーツ大会を開いた

新プロジェクト発足

 同社は現在、ビッグステップ地下1~2階の「スポタカ心斎橋ビッグステップ本店」と地下2階に併設したスケートボードパーク「スポパー」を運営している。スポパーではスケートボードのスクールを開いており、コマ数を増やしているが、満員の状況が続いているという。20年の東京五輪の正式種目となり、小中学生を連れた親子での来街者増にもつながっている。

 同社は以前からスノーボードやサーフィン、スケートボードなど〝横乗り系スポーツ〟を得意としてきた。最近の販売は「顧客型の分野と若者向けのはやり商品」が良いという。顧客型ではバスケットボールや野球が強く、野球では社会人の草野球チーム向けの販売も増えている。若者向けでは人気ブランド同士の協業商品などに反響が大きい。

 EC比率も3割ほどと高いのも同社の特徴だ。ECではテニスやバスケットボールなど競技系のスポーツも伸びている。今後も売上高の拡大は無理をせず、企業体質の向上に力を入れる。「価格よりも顧客の求めるものを優先」し、店舗ファーストの売り場改善も並行して進める。小売り以外にも企業・チーム向けビジネス、オリジナル商品開発、アスリートのマネジメントなど様々な事業を検討している。

高橋専務

 新プロジェクトとして、8月から「CASP」(チャレンジド・アスリート・サポート・プロジェクト)を立ち上げた。年齢や性別、障害、体格などに関係なく、新しく挑戦しようとする人たちと「共に成長できる環境、共存できる環境を作りたい」という理念から始めたものだ。2日には大阪で開催された近畿アンリミテッド・パラ陸上大会に参加した。

新プロジェクト「CASP」は、年齢や性別、障害に関係なく「共に成長・共存できる環境を作りたい」との理念から始めた


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