伊勢丹がパリで靴を披露した意味(野村真司)

2016/01/29 00:00 更新


昨年の1月、パリは凄惨な事件で幕を開けた。表現の自由をめぐるこの事件は、世界中の人間に何かを感じさせるきっかけとなった。

店頭でバッヂやワッペン、ピンバッヂなどをよく見かけるようになったのも、ちょうどその頃からである。大きさや色、形も様々で、メッセージ性の強いもの、フルーツや動物、キャラクターなどその種類は多岐に渡る。

近年、それらがパリのファッションピープルや若者たちに密かなブームを呼んでいる。ジャケットの襟元にいくつものバッヂを飾ったり、シャツやセーターの胸元、ジャンパーの袖や背にワッペンをあしらったりと、皆が思い思いにアレンジを楽しんでいるのだ。

自由自在に飾られているにも関わらず、そのセンスはまるでどこかのブランド物と思わせるような個性を放っている。あのとき感じた表現の自由は、モードの世界にアレンジの自由となって反映されたのかもしれない。

 


 

そして、2016年の今年、アレンジ自由自在の靴がお披露目された。

1月22日から開催のParis Who’sNext/Premiere Classに三越伊勢丹がデパート業界初となる出展を果たしました。今までは、世界の商品を目利きし、日本に輸入する事業を主体としていた業界が、日本を背負いパリに進出してきたのです。

その三越伊勢丹の展示スタンドにて、前述のアレンジ自由自在の靴と出会いました。マジックテープ加工された無数のワッペンやモチーフが、靴をより自分好みにデザインしてくれます。

このアイデアは、あの表現の自由という発想からきたものではないかもしれません。世界有数の集客力を生む三越伊勢丹には、多種多様のお客様がいらっしゃいます。その一人一人の満足度をアレンジしたアイデアだと思うのです。

自由な発想を基軸にした、三越伊勢丹ならではのデザインとその形。そして、MADE IN JAPANをモットーとした、日本のものづくりが生み出す圧倒的なクオリティー。日本の技術、素材やテクノロジーは、すでに世界の中心であると断言できます。

日本の中心、東京。その中心である新宿から世界を変える日も近いかもしれません。












のむら・しんじ フランス・パリ、日本にて、複数会社を経営する事業家。今年スタートした、フランス政府認可のワイン雑誌「33VIN」を皮切りに、食文化へのビジネスを展開中。パリコレ期間中は繊研新聞社の手となり足となりTHE SENKENパリ・オーガナイザーとしても活動。本人も何が本職かわからないほど、多方面で絶賛活躍中!



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