キャッシュレス決済アプリの増加や、キャッシュレス・ポイント還元事業の開始により、皆さんの中にもキャッシュレス決済を利用する機会が増えている人が多いのではないでしょうか。しかし、この2~3年でキャッシュレス決済の存在感が高まっている半面、若者は意外にも現金決済をメインで利用している人が多いのが現状です。
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手元の現金残高を意識
先日18~24歳の男女400人を対象に実施した決済方法に関する調査でも、実店舗での決済方法については現金支払いと回答する人が約8割と、最も多い結果となっています。クレジットカードなどキャッシュレス決済の利用が4割前後と続きますが、インタビューをしてみると、「現金支払いの方がお金を使ったという感覚があるから安心」「電子化してしまうとどのくらいお金を使っているのか見えづらいので怖い」など、〝お金を使った感〟を感じにくいキャッシュレス決済の利用について、慎重な姿勢が見て取れます。
アルバイトが主な収入源であり、毎月の収入が不安定な彼らにとって、クレジットカードで未来の自分に支払いを託すことはリスクであり、今手元にある現金の残高を意識せざるを得ない状況であることも要因です。
コロナ禍でキャッシュレス
そんな彼らでも、コロナ禍でキャッシュレス決済の利用が増加傾向にあります。同調査で、直近半年間での各種決済方法の利用頻度の増減について聞いてみたところ、クレジットカードやスマートフォン決済サービスの利用については、ともに「増えた」と回答した人がそれぞれ4割を占める結果となりました。
グループインタビューでは「実店舗でのお買い物が減り、通販でのお買い物が増えたためクレジットカード決済が増えた」「衛生面から現金を使うことを減らすため、キャッシュレス決済が増えた」という声が聞かれており、購入場所と衛生意識の変化がキャッシュレス決済の利用増加に寄与していることが分かります。
実際にキャッシュレス決済を使う際も彼らの堅実さが表れています。例えば、スマホ決済アプリなどへのチャージ金額は「1500円のものを購入する時は、1500円だけチャージする」など、お金の使いすぎを防ぐために、少額・使う分だけチャージしている傾向にあり、やはりここでも「現金が手元から消えないようにする」ための工夫がなされていることが分かります。
コロナ禍でアラウンド20(15~24歳の男女)のキャッシュレス決済に対する利用意向が高まる一方で、お金の使いすぎを自制したい(しなければならない)という意識からまだまだ慎重な姿勢が続きそうです。