「言葉」で振り返るファッション業界~22年11月編~

2022/12/23 10:58 更新


 繊研新聞が日々発信するニュースには、経営者やデザイナー、職人、販売スタッフなど、様々な人々の「言葉」が満ちています。

 【「言葉」で振り返るファッション業界】では、熱のこもった言葉たちをひと月ごとに振り返り、ご紹介します。

「言葉」で振り返るファッション業界~22年10月編~

変わらないまま年を取ってしまうのは良くない

ラボキゴシ「サヤ」デザイナーの田中一穂さん


 クラフトマンシップが特徴の革靴のサヤ。長く愛されていても、時代に合う変化は必要という。買ってくれる人のためにも今の服に合わせ、かっこいいと思える靴を作ることが信条。自信作の装飾の入ったローファーは、型紙の工夫でモカ縫いのように見せる構造で、凝った一足に仕上げた。

(繊研新聞本紙22年11月2日付6面)

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大事なことは断捨離経営

コックス社長の三宅英木さん


 ファッション業界を再生する救世主になりたいと思っている。22年3~8月は7期ぶりに黒字を達成。通期の営業黒字化が現実味を帯びる。50%以上オフのセールや、外部ECサイトでのクーポン発行など利益の出ない売り上げを切り捨ててきた。不要な間接人員、部門もなくし、売れる物、売れる人作りを重点に経営を進める。ファッション業界をきちんと利益が出て、外から優秀な人材が参加するものにしたいと考える。

(繊研新聞本紙22年11月4日付6面)

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時代に合わせて考えをアップデートすることが必要

デロイトトーマツベンチャーサポートシニアマネジャーのセントジョン美樹さん


 米シリコンバレーを拠点にフェムテックの調査やプロジェクトに携わる。日本では自社の従業員の離脱を防ぎ、優秀な人材を守り育てるためにフェムテックサービスを活用する〝守りのフェムテック〟も必要だと説く。女性への投資が多い企業やダイバーシティー(人材の多様性)への意識が高い企業は、男女ともに優秀な人材が集まる傾向にある。日本企業が生き残るには研究開発だけでなく外部と提携し、間口を広げなければ視野も狭くなると警鐘を鳴らす。

(繊研新聞本紙22年11月11日付6面)

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日本市場での成功はポジティブな結果につながる

ボナベンチュラグローバルCEO=最高経営責任者=のマウロ・ベックさん


 スマートフォンケースから始まった「ボナベンチュラ」は、バッグや財布に広がり、トータルなレザーグッズブランドに成長。トップレベルの品質の素材とクラフトマンシップを強みに、ジェンダーレスにファンを増やしている。日本人はディテールや質などへの価値判断が優れていると評価し、日本を最重要市場と位置付け、世界でも成長の芽があると考える。

(繊研新聞本紙22年11月25日付3面)

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何でも相談でき、安心感のある場を提供したい

メイデンボヤージュ代表の加茂貴将さん


 「服屋をやりたい」夢が捨てきれず、大阪のセレクト店で修業後、地元の静岡県浜松市にセレクト店「メイデンボヤージュ」を開いた。顧客とじっくり対話して信頼関係を築くため、店内にジャズを流し、コーヒーを飲んで落ち着ける空間を設ける。地元は服屋が少なく、人と人が出会える場も求められている。同世代の同業者らと組んだイベントを再開し、地元の盛り上げにも意欲を燃やす。

(繊研新聞本紙22年11月30日付8面)

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