三共生興 顧客若返りの鍵は協業 “今までにない”を打ち出す

2025/01/27 06:27 更新


好評な「ダックス」と「クルニ」の協業品

 三共生興は、英国ブランド「ダックス」で様々な協業を仕掛けている。「今までにない立地でのポップアップや新規客の獲得、特に若い層にダックスを知ってもらう良い機会になっている」(井ノ上明社長)と手応えを得て、成果がでている。

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 直近では、「オリックス・バファローズ」や『名探偵コナン』、カジュアルブランド「CULLNI」(クルニ)などと協業した。井ノ上社長が特に驚いたのがクルニとの協業。クルニの安藤一彦デザイナーがダックスの生地に興味を持ったことをきっかけに協業に発展した。

 「若い人からハウスチェックが格好いいと言ってもらえ、18万円するコートでも買ってくれることに驚いた。自信になった」と井ノ上社長。既存販路の百貨店に加え、ギンザシックスやニュウマン横浜などでも期間限定店を開いたことで新たな客層にアプローチできたという。好評を受けて、今秋にも第2弾を予定する。

 昨年11月にはダックスの国内旗艦店「ダックス・アオヤマ」を東京・南青山の「ヴァルカナイズ・ロンドン青山」に開いた。この出店がきっかけとなり、スーツケースの「グローブ・トロッター」との協業も計画中という。また25年春夏では、英国ニット「ジョンスメドレー」とも協業商品を作った。

 「今までにないダックスを様々な協業で打ち出せ、イメージが変わってきた。ブランドのイメージ刷新や若返りを進めているが、中からだけではなかなか変えるのが難しい。こうした〝外圧〟によって変わるのも一つのやり方かもしれない」と井ノ上社長は話す。

三共生興井ノ上明社長


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