合同展「プラグイン/エディトリアル」(繊研新聞社とCREDITSの共催)が10月23~25日、東京・渋谷のヒカリエホールで開かれる。出展企業は90社を超え、ブランド数は114。うち初出展が78%を占める。今回、目立つのはアパレルを軸に提案するブースが増えたことだ。団体出展している東京ファッションデザイナー協議会(CFD・TOKYO)や韓国の4ブランドをはじめ実力派から新興まで多様な提案に注目だ。
(カッコ内はブース番号)
CFDは7社・9ブランドを出展する。
「divka」(ディウカ、CFD-01)が目指しているのは新しい服、美しい服を作ること。それが人を感動させ、触発する力になると信じているからだという。「感覚的なものを大胆かつ直接に表現することができ、シルエットと躍動感を与える」として、ほとんどが立体裁断だ。最新コレクションはオリジナル素材と立体裁断で新たな美しさを追求している。
「JUN OKAMOTO」(ジュンオカモト、CFD-02)は「彼から見た彼女の服」がコンセプト。シーズンテーマを物語に書くことから始まって、その情景や言葉をプリントやディテールに落とし込んでいる。同ブースでは併せて「PANORMO」(パノルモ)も披露する。プロのバイオリニストがデザインする、〝演奏家のためのドレス〟がメインのブランド。胸元のパールがポイントのブラウス、メンズライクなシルエットのシャツにレースを合わせたシャツなどを見せる。
「OTROMUNDO」(オトロモンド、CFD-03)は24歳の注目デザイナーが手掛ける。今回見せるのは「se dice」をテーマに、ワンピースやTシャツなどでブランドが掲げる「フリー&プレイフル」(自由と遊び心)を表現する。
「AROL」(アロル、CFD-04)は「自分を見つけて、自分を愛そう」をメッセージに掲げるレザーグッズのブランド。フラップ9種類、ボディー8種類、ストラップ21種類の組み合わせが可能で、1500通りの中から自分の好みの1点を見つけ出すユニークな提案だ。
「NARU factory」(ナル・ファクトリー、CFD-05)は、1953年創業の南出メリヤスの高質な物作りから生まれる高品質で着心地の良さが特徴。カットソーやニットアイテム、パンツ、アウターと全アイテムを大阪の自社工場で作り、小ロットの別注にも対応する。パリでも展示会を開いているが、今回は「リバティ」の復刻花柄プリントのワンピースや、7種類の糸を組み合わせたマーブルウェーブ柄ニットアイテムなどを披露する。
「ATSUSHI NAKASHIMA」(アツシナカシマ、CFD-06)は新たなサステイナビリティーの提案に挑んでいる。「ネオクラシックの歴史や文化に蓄積された伝統美、数学的に構築される立体美、自然美、それら要素を解釈し、理想的なデザインを完成させる」。ストライプ状の縦の切り替えに、立体を作る上で必要なダーツや切り替えを潜ませてシルエットを表現するなど、パターンやディテール細部で作る。
「CHIDORI」(チドリ、CFD-07)は〝変身する服〟がコンセプト。パターンを駆使し、デザインやカラー、アイテムが変化するギミックが特徴だ。キャミワンピースに変わるカットジャカードのキャミソールや、シルバー箔(はく)を彩ったワッシャーオーガンディのトップがティアードワンピースになるなど、1枚で違うデザインを楽しめる。バッグ、レザーグッズなども揃える。
「MARIKO」(マリコ、CFD-08)のデザインテーマは〝MODE,ELEGANCE,ART〟。立体裁断で作成したカッティングやディテールで、大人の女性のエレガンス、可愛らしさを表現している。
■東京ファッションデザイナー協議会代表理事・議長の久保雅裕さんの話
海外に進出している知名度のあるデザイナーから、新人、中堅と、幅広くまとまった出展となりました。各ブランドが期待しているのは取引先との再会や新しい出会いです。来場者には先入観を持たずに、それぞれのコレクションを見てほしいと思います。協議会としても各ブランドがビジネスチャンスを広げる機会を増やしていきたいし、まとまった出展で認知度向上につながると考えています。