パルコDM、デベに提供するCMSに新機能 業務改善

2018/01/31 04:29 更新


一つの画面で様々な業務に活用できる(画面のイメージ)

 パルコの全額出資子会社で、商業施設向けのICT(情報通信技術)・ウェブ活用支援事業を行うパルコデジタルマーケティング(川瀬賢二社長)は、商業施設のウェブサイトの更新・管理主体のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)「SCコンシェルジュ・ウェブ」に新たな機能を加え、統合した新システム「SCコンシェルジュ・ウェブ・スイング」(スイング)を開発した。SCディベロッパーを中心に、年内の提供を目指す。

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 従来のSCコンシェルジュ・ウェブの機能項目であるウェブサイトの更新・管理、ショップブログの投稿、ブログを活用した通販と予約受注・店頭での取り置きなどに、ウェブコンテンツのアクセス解析機能やテナントとのリレーション・コミュニケーション、スケジュールの共有、テナントからの各種申請の管理機能を加え、各項目をパソコン、スマートフォンなどの端末上の一つの画面から利用できるようにした。

 各機能は個別のサービスとして提供しているが、システムを刷新し、データベースを統合・一元化した。施設のデジタルサイネージ(電子看板)のコンテンツを更新・管理する機能とも統合する予定だ。

 現在の仕組みでは1人の担当者が複数の機能を活用する際に、システムやツールの管理場面を項目ごとに使い分けており、「取引先からも不満が多かった」(川瀬社長)。これを一つにし、データベースも連携することで、「ユーザーの業務を効率化し、利便性を高める」。「柔軟にデータベース項目が設定できる」ため、小売業でも利用できる。

 「SC業界の課題であるディベロッパーとテナントとのコミュニケーション不足の改善や、人手不足が深刻化する中でのテナント従業員の業務負担軽減にもつながる」とする。ビーコン(無線を使って位置情報などを取得するための装置)を活用した、人の流れを分析するシステムとの連携も可能で、「イベントの集客、売り上げ効果や回遊などのデータ解析がより明確になり、業務精度向上が期待できる」という。

 24~26日に開かれたSC業界の商談展示会「SCビジネスフェア」で初めて発表した。商談の具体化はこれからだが、「取引先からの不満をつかんだ上で開発したので、ニーズはある」とする。パルコでの試験活用も検討する。

一つの画面で様々な業務に活用できる(画面のイメージ)

 パルコデジタルマーケティングは昨年3月1日にパルコシティから社名変更、ファッションビジネス業界向け求人サイトを中心とした人材支援事業を他企業に譲渡し、ICT・ウェブ活用支援事業に特化した新会社としてスタートした。

 SCコンシェルジュ・ウェブやデジタルサイネージを中心に、今期(18年2月期)の取引先はSCで前期比約20%増、百貨店や専門店も含む全体で約10%増え、施設・店舗数は約150となった。今期から技術者を配置した商品設計部を新設、自社での新システム・開発を強化している。スイングの開発はその一環。




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