パルグループHD、第3四半期も最高業績 「消費の潮目が変わった」

2024/01/12 06:30 更新


パルグループホールディングス井上会長

 「また潮目が変わり始めたのかもしれない」。そう語るのは、パルグループホールディングスの井上英隆代表取締役会長だ。23年3~11月の連結決算は売上高、利益項目の全てで過去最高となった。井上会長は、「これがいい」という買い方が、リーマンショック以降は「これでいい」に代わっていたのが、さらに変化の兆しがあると見る。この転機を見逃さずに商品戦略を推進するという。

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 売上高は衣料事業が前年同期比13.9%増、雑貨事業25.7%増とどちらも順調で1425億4500万円(18.1%増)。EC含む既存店ベースは9.6%増だった。全店ベースのECは348億9700万円(22.3%増)で、自社サイトは26.5%増。ECの自社サイト割合が初めて4割を超えた。

 全体の平均客単価は8~9%増で推移。社内で低価格志向の底打ち感を議論したところで、「『これでいい』がやっと止まってきたのでは。タイミングを正確に捉え、ライフスタイルに合わせて新しい物を提案することが大事」と話す。

 一方、円安や原材料高騰、賃金や配送費の上昇などでコスト上昇の経営環境は続き、税抜き300円を中心とする「スリーコインズ」をはじめとする雑貨事業は、増収しても増益が難しくなっている。大型店の「スリーコインズプラス」の出店推進により、下期の粗利益水準は変わらずに推移し始めたが、今後セルフレジや共同配送の実現など一層の対策を視野に入れる。

大型店の「スリーコインズプラス」を積極出店した(22年にオープンした西銀座デパート店)

 スリーコインズは大型店などの意欲的出店により、3~11月で売上高を前期から110億円上乗せした。「先行投資で出店しているが、円安の影響は大きかった」という。収益力をさらに磨き、為替が円高に振れた時の大きな収穫を狙う。



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