【連載】進化するオムニチャネル-⑤

2019/01/02 06:29 更新


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■ベイクルーズ ECは「単独で存在しない」

 ベイクルーズは、前期(18年9月期)のEC売り上げが335億円で着地し、前期比約22%増と2ケタ成長を継続した。店舗とECの併用客を重視し、出てきた課題をEC事業の内製化で素早く解決している。嶋田純上席執行役員EC統括に聞いた。

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社内で意思疎通

 5年以上ECが伸びているのは、ECの核の部分をほぼ自社で内製化しているから。プログラミング、ページ制作、エラー対応まで修正点を素早く改善できるのが大きい。

 13年からオムニチャネル戦略を推進し、店舗とECを行き来する客が増えているため、事業もオンライン・オフラインにまたがって設計している。EC部署には100人いるが、そのうち60人はブランド事業部と話し合って商品手当てを行う運用担当だ。以前はブランド側に存在していたが、ナレッジ共有を目的にEC部署に異動。これによりコミュニケーションが活発化し、ブランド側のEC理解がより深まった。組織変更は良しあしがつきものだが、重要なことは「ECが単独で存在しない」こと。私自身も3年周期でECと現場を行き来している。

 データも1カ所にまとめ、オンライン・オフラインの購買履歴を分析している。当社が重視しているのは「店舗とECの併用客」。併用客の年間購買単価はEC単体購買客より3~4倍高いので、併用する客数、購買頻度などを伸ばすために何をすべきかを見据えている。「ロイヤルティーの高い客が増えること=オムニ化のゴール」は社内に浸透した。

 KPI(重要経営指標)として、①1人当たり年間平均購入金額②NPS(顧客のロイヤルティー数値)③各販路の伸び率データを見ている。NPSは客の不満を検証して新サービスを行うため。例えばオンラインの行動履歴からボトルネックを推測して手を打ち、その後に来店・購買したかを確認する。ちなみにオンライン来訪から1週間以内の売り上げは60億円になっている。伸び率データはECから先に伸びる傾向があり、店舗も比例して伸びるかを見ている。

嶋田純上席執行役員EC統括

個別対応を重視

 いま消費者は「買い物で時間をムダにしたくない」気持ちが強い。スタッフのコーディネート画像を見て、店舗に来店する客も増えている中で、オンラインとオフラインのサービス統合がより重要になっている。販促もできるだけ統一し、ECモールのクーポン発行は年1回に抑えている。直営EC売上高は195億円で、比率は58%。粗利益率は店舗よりECは低いが、年々1ポイントずつ改善している。

 最近はパーソナルな情報以外は開封率や反応率が落ちているため、今夏にアプリを刷新し、ワン・ツー・ワン・マーケティングを強化した。今後は行動・購買データに位置情報・気象データまでを掛け合わせ、顧客の最適タイミングで情報を配信する。目指しているのは「リアルタイムパーソナライゼーション+オンラインとオフラインのサービス統合」だ。

(繊研新聞本紙 2018年10月31日付)


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