【連載】進化するオムニチャネル-④

2019/01/01 00:00 更新


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■直営ECが全社成長の基盤に

 17年度ネット販売アンケートでは、ECモール、直営ECサイトの両チャネルで販売額が伸びた。圧倒的な集客力を誇るECモールの存在感は引き続き大きいが、多くのアパレル企業にとって直営ECサイト強化路線は変わらない。自社商品をできるだけ多く正価で販売して収益力を最大化するには、直営ECが基盤となる。

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比率は変わらず

 ファッション商品ネット売上高に占める直営ECサイトの販売比率は、前回調査と大きく変化しなかった。前年度と比較可能な56社の直営EC比率は68.6%で、前回比0.2ポイント減と前年並み。直営ECサイトの販売額合計は23.1%増と伸ばしたが、EC売上高全体の伸びに比例した。

 改めて直営ECの役割は「自社の情報発信メディア」であり、「最も収益性高く販売できるチャネル」。ここにきてECモールでブランド間の競合が激しくなり、値引きを実施せざるをえなかったり、販売手数料などのコストもかかる中で、直営EC整備は中長期的に必須の課題だ。

 消費者が商品購入に至るまでの過程も、ネットで見た商品の試着や受け取りを実店舗で行う、あるいは店頭で商品を試着してECで注文するといった具合に、ウェブルーミングとショールーミングが交錯し、店とECの垣根がどんどんなくなっている。そのため、実店舗をたくさん持つ企業ほど、顧客情報や在庫の一元化を前提にした直営ECサイトを構築し、店とECの連動や同一サービスの提供を目指している。

店と販売員が強み

 本社アンケート調査によると、直営ECサイトの販売比率がEC売上高の「20%以上」と回答した企業の多くが、オムニチャネル推進のために実施した施策として、「社内の意思統一」「在庫一元管理」「顧客情報一元化」を挙げた。ECやブランド、店舗など部署間の壁をなくす「社内の意思統一」を重視していることがわかる。

 もちろん直営ECサイトではサイト構築と人材確保といった大きな投資が必要になるが、ECで取得できる客の行動・閲覧・購買・店舗への送客といったデータを日常的に分析・蓄積してPDCA(計画・実行・検証・修正)サイクルを回し、一人ひとりの客に向き合っていくことが、企業の成長に直結する。さらにECと店を併用して購買するアクティブ客の拡大にもつながる。

 また、店頭の販売員がSNSで情報発信して来店を促し、自社ブランドへのロイヤルティーの高い顧客に、よりアクティブに自社商品・サービスに接してもらうことが大きな課題となる。それにはこれまで培ってきた実店舗と販売員の力が武器になる。

(繊研新聞本紙 2018年10月30日付)


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