乳房文化研究会が新書籍出版 ワコールで記念研究会

2017/06/27 04:20 更新


 乳房文化研究会はこのほど、書籍『乳房の科学~女性のからだとこころの問題に向きあう~』(朝倉書店)を出版した。20年以上に及ぶ講演活動のなかから自然科学分野の論考などをまとめたもので、乳房のしくみ、医療、授乳などに関する論考16本、コラム3本を収めた。

 24日には、ワコール新京都ビルで出版記念研究会を開催。田代眞一会長(病態科学研究所所長、京都府立医科大学客員教授)が基調講演で研究会の歩みを紹介したほか、二つのテーマの記念講演、出版記念パーティーなどを開催した。

 同研究会は91年にスタートした「からだ文化研究会」と、研究会内で乳房にテーマを絞り93年に設立した「乳房科学研究会」が統合し、96年に発足した。医学、生物学、文化人類学、歴史学、被服造形学など様々な観点から、それぞれの専門家を講師に年3回程度、研究会を開いている。結論を導き出すものではなく、様々な立場から論考を深めるのが会の特徴だ。

 過去のテーマを見ても「乳がんの検診とサポートを考える」「アジアにおける乳房観」「ファッションと乳房」「思春期と乳房」「音楽と乳房」「離乳・断乳・卒乳」など多彩。ワコールは、人間科学研究所などが裏方として事務局運営を支えている。

 乳房の科学は、14年に発行した『乳房の文化論』(淡交社)に次ぐ2冊目の書籍。田代会長は基調講演のなかで、「世界的にも珍しい研究会。科学の進歩に合わせ、3冊目、4冊目と続いて欲しい。興味・関心のある人には幅広く会員(年会費3000円)を募っていく」と抱負を述べた。

基調講演した田代会長


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